研究課題/領域番号 |
22500122
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
渡辺 俊典 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (10242348)
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研究分担者 |
古賀 久志 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 准教授 (40361836)
張 諾 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教 (20436736)
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キーワード | パターン認識 / 機械知能 / マイニング / 画像解析 / 自律システム |
研究概要 |
研究課題名「圧縮原理を用いた認識スキームの自律形成手法の研究」のもと、H22,H23,H24の3年間にわたる研究を実施している。以下に、H23年度の実施事項を要約する。 (1)研究課題:テキストデータ分類用多段決定スキームの自律的形成手法の研究 (2)研究実績:当初予定の上記課題に関し、複数のテキストを与え、それらをいくつかの類似のクラスに分類することのできる二分決定木を自動生成して出力する方式を開発した。与えられたテキスト群を圧縮性特徴ベクトル群に射影してクラスタ解析して得る2分木(デンドログラム)の各ノードに、未知テキストを分類するためのテキスト圧縮辞書を付加する。入力未知テキストは、左右の子ノードの圧縮辞書で圧縮され、圧縮能率の良い子ノードに渡されつつ末端ノードに到達し、そこでのクラスラベルを得る。初めに形成される2分木に人的判断を加味することで人の分類方針をまねる分類機構をも構成できる。分類精度を向上させるための圧縮辞書の自動構築方式を特に工夫した。Google earthから取得した航空画像をテキスト化したものを分類させ、多様な地表面画像の分類を高精度でおこなえることを確認した。研究の核であるデータの圧縮性特徴量の他の認識問題への応用も試み、テクスチャ画像分類、衛星画像による地表面の意味的分類、通信ネットワーク上のトラフィックパターン分類などでの有効性を部分的ではあるが確認できた。 (3)発表:前年度および本年度成果のジャーナル論文化(2件)、および本年度成果の学会発表(4件)に取り組んだ。前者について発表済み1、審査中1、後者について発表済み2、受理決定2の実績を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H23年度主目標を達成できたこと。本研究プロジェクトの上位目標である「圧縮原理を用いた認識スキームの自律形成手法」の周辺分野への適用可能性も部分的に実証できつつあること。過年度成果のジャーナル論文発表を達成したこと、など。
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今後の研究の推進方策 |
上述したように、H23年度の研究を進める過程で、「圧縮原理を用いた認識スキームの自律形成手法」の新たな適用先として、従来の画像 解析では実現困難な「多様なオブジェクトを含む画像の意味的分類問題」および「通信ネットワーク管理のための複雑なネットワークトラフィックの分類問題」への適用可能性を部分的に実証できた。H24年度においてはこれらの課題に取り組むとともに、過年度成果の発表、プロジェクト3年間についての研究まとめをおこなう予定である。
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