研究課題
コンピュータ将棋は十分に強くなり、プロ棋士に迫るレベルになっており、一般のプレイヤーにとっては、既に強すぎる存在になっている。本研究では、対戦して楽しい将棋ソフトとして、プレイヤーの棋風を模倣するシステムを提案し、実装することを目的に研究を行った。平成23年度までに、棋風を模倣する手法の一つとして、Bonanzaの評価関数の機械学習を利用して、特定の棋士の棋風を偏重させて学習させる手法を提案し、その実装を行った。具体的には、特長あるトッププロ棋士の棋譜を偏重して学習させることによって、その棋風をある程度模倣できることを示した。その棋士の実戦棋譜数が少ない場合でも、偏重の比率を高めてやることで、その特徴の一端を表現できることが示唆された。平成23年度から平成24年度は、一般的な棋風である「攻めー受け」「重厚-軽快」「直線的-曲線的」などに着目し、それぞれの棋風を色濃く反映しているプロ棋士の棋譜を統計的に分析することで、棋風を形成している特徴要素を特定することにした。これらの特徴要素に着目し、平成24年度には、「攻め-受け」に関連する特徴要素を特定の駒の使用頻度や盤上での移動や2駒間の位置関係など幾つかの棋風を構成すると思われる要素を特定し、序盤、中盤、終盤などに分け、特徴的な駒の使用方法を詳細に分析を行った。この統計的な分析を用いて、昨年度までに作成したプログラムによって生成された棋譜が特定の棋士の統計的な分析データと似ているかどうかを比較して、客観的に棋風を評価できる尺度について議論を行った。また、「攻め-受け」の棋風について、統計的な手法からの示唆を元に、駒の使用頻度等の特定の手にバイアスをかけることで、より特徴を捉えた棋風の模倣を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Journal of Neuroscience
巻: 32(48) ページ: 17492-17501