研究概要 |
高信頼で持続的発展が可能な知的社会構造を実現する高度分散知能システムの基盤技術の発展をめざし,その成果を,スマートグリッド・分散エネルギー協調制御網と,分散協調業務を支援する環境知能化に応用し,その効果を明らかにすることをめざしている。また,この結果を将来の高度知能化社会の実現にむけた嚆矢とし,学際的分野へ波及させる事を目的とする。H23年度には,最終年度にむけた具体的なアプリケーションの開発に必要な要素技術の完成と,成果展開を推進した。具体的には下記の事項について進捗が得られた 1.基盤技術の理論限界と性能評価および改良研究 実現可能な分散知能の規模・複雑さを明らかにする。どの程度の規模の分散知能システムの構築が可能か,また,どの程度の時間で知能化環境が構築できるかのトレードオフを見極めた。そのために,シミュレーション実験を中心に性能評価と理論限界をさぐり,最終年度で開発するアプリケーション仕様策定を行った。 2.相互運用性を踏まえたフレームワーク整備と要素技術との干渉調査 本研究は,相互運用性のある環境知能化をめざしている。これを実現するために,要素技術の展開において適切なフレームワークの設計が不可欠である。下記の具体的アプリケーションの設計に必要な基盤を整備し,同時に評価を行った 3.高度分散知能アプリケーションの実現 下記の高度分散知能に基づくアプリケーションの実装および実証実験,評価の準備を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の大震災を背景に,本研究がめざしていたスマート社会,とくに電力,スマートグリッドへの期待は,極めて大きい。本研究は,その嚆矢として重要な役割を担っているとともに,さらに大きな拡がりが期待できる位置付けにある。本研究成果をもとに,さらに安心安全なディペンダブル社会システムの創生につながる,知的社会構造の実現にむけた取り組みを推進する計画である。
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