研究概要 |
前年度までの検討結果をもとに,さらに設計仕様の改良および詳細化を追求した.以下のステップで研究を進めた. (1)Webページ分割アルゴリズムの設計 前年度に設計したアルゴリズムを評価し,アルゴリズムの改良方法を検討した.改良したWebページ分割アルゴリズムではまず,Webページを細分化ブロックという単位まで分割する.次に,Webコンテンツの見出しとなるようなブロック(タイトルブロック)に着目して細分化ブロックの結合を行い,Webページを意味的にまとまりのある単位へと分割する.計算機によるタイトルブロックの自動抽出を行うために,機械学習によって分類器を生成した.J4.8アルゴリズムによる決定木学習によって生成した分類器により,F値77.8%,89.3%でタイトルブロックと一般ブロックの抽出に成功した.得られたタイトルブロックを用いて細分化ブロックの結合を行った結果,ニュースサイトのニュース記事部分に着目した場合,96.1%の精度でコンテンツ量に依存しない同一の分割結果が得られることを確認した.本研究成果を,学術論文で2件発表した. (2)Webエージェントに基づくWebブロック管理機構の設計 Web情報からWebブロックを適切な時間で抽出・再利用するためのWebブロック管理機構を開発し,Webブロックの組み合わせに基づく,知的なWebサービスの実現のための基盤を明らかにした.ここでは,適切なサービスをユーザに提供するための知的な分散処理システムとして,従来のマルチエージェントシステムの実装のように粗結合なシステムが適切なのか,運用の容易さを考慮してクラウドコンピューティング上に,モデルとしてマルチエージェントシステムを構築すべきかを明らかにした.本研究成果を,研究会で1件発表した.
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今後の研究の推進方策 |
Webブロックをユーザの観点から構造化するためのテストベッドとして,携帯電話向けにWeb上の情報を構造化して配信するシステムを試作する,ここでは,生成したWebブロックを携帯電話やスマートフォンなどの多様な情報端末に適したレイアウトやファイルフォーマットに変換し,Web情報の再利用性を高めるための実装技術を確立する.具体的には,モバイルエージェント技術に基づくWebブロックのレイアウト最適化アルゴリズムとその操作プログラム生成アルゴリズムを設計し,実装・評価する.
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