研究概要 |
3 次元データを対象としその特徴をとらえて機械的に扱えるような定性時空間推論について研究を行った. 1. 3 次元データを対象とする枠組みの検討:前年度の研究で 3 次元データを扱う定性時空間推論の枠組みとして,研究室で開発した PLCA 表現に点の相対的な高さの情報を加えたものと,領域のとり方を工夫することでオブジェクトの相対的位置関係にもとづく RCC 表現をそのまま適用する方法の2つについて問題点や適用可能な範囲について明確化した.また,9box という新たな表現方法の利用についてもあわせて考察した. 2. 高さ情報をもつ空間データ上の推論システムの構築:前年度開発した,PLCA 表現に点の相対的な高さの情報を加えた表現およびその上での推論システムは,シミュレーションの際に相対的な長さや大きさの扱いが煩雑であったため,この部分を改良した表現を提案し,その上での推論システムを構築して実装した.また,この表現の妥当性や与えられた表現に対応する空間が存在するかどうか決定するアルゴリズムや制約充足問題との関連についても考察した. 3. 定性空間表現の列に対する推論方法の確立と評価:前年度の検討結果をもとに,オブジェクトの動く方向や時間的な前後関係から観測方向から見えない部分について推論する方法を与えた.また,この結果を利用して,動作を RCC の表現の列として定義し動画データから生起イベントを抽出する方法を提案した.この方法をバスケットボールの試合の動画データに応用し評価を行った.
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