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2011 年度 実績報告書

プライバシー保護のための情報幾何的協調フィルタリング

研究課題

研究課題/領域番号 22500142
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

赤穗 昭太郎  独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (40356340)

研究分担者 神嶌 敏弘  独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (50356820)
藤木 淳  独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究員 (10357907)
キーワード機械学習 / 個人情報保護 / 情報幾何
研究概要

プライバシー保護に対する情報幾何的データ解析法について,以下の点について研究を行った.まず,ロバスト推定で用いられる評価基準について拡張を行った.従来誤差のk乗ノルムを損失関数とする最適化問題において,凸性からk>=1を前提とした手法が提案されてきたが,それをk<1についても理論解析を行い,回帰問題においてはその最適解がサンプル点を通ることを示し,ランダムサンプリングを用いたアルゴリズムを導出した.また,LMedS規準をα分位点に拡張したLα規準を導入し,ロバスト性の比較実験を行い,ほぼ同等な性能が得られることがわかった.また,これらを一般の非線形リーマン空間における回帰についても定式化し,情報幾何的な枠組みにおける適用可能性について検討した.また,ベータダイバージェンスと制御系におけるH∞フィルタとの関連性について示し,ロバストな制御対象についても同様な枠組みを考えることができることを示した.次に,プライバシー保護に関連し,解析結果が差別的にならないような学習を行う公正配慮型学習を提案した.公正配慮型学習においても情報幾何的な尺度を考え,学習の精度(尤度,すなわち真の分布とのカルバックライブラーダイバージェンス)と公正性(出力と差別性属性との相互情報量)とのトレードオフを適切に調節することによって公正性を保ちつつデータ解析を行う手法を開発した.これらはベンチマークデータを用いた大規模な数値実験を行い,有効性を確認できた.また,セキュアなデータを保持するための枠組みについても考察を行い,暗号化の各種手法のほか,各ユーザがそれぞれ独自にデータを管理し,各種サービスに対してユーザの意志に基づいてデータを提供する枠組みを提案している研究者と議論を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

情報幾何に基づくロバストなデータ解析手法について理論的な進展があり,公正配慮型学習などプライバシー保護についても新規性のある提案ができた点で,順調に進展していると考える.

今後の研究の推進方策

情報幾何についての理論的な成果とプライバシー保護マイニングの成果を統合するようにプロジェクトを進めたい.また,協調フィルタリングについての成果があまり出ていないので重点的に行っていく.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Hypersurface fitting via Jacobian nonlinear PCA on Riemannian space2011

    • 著者名/発表者名
      J. Fujiki, Shotaro Akaho
    • 雑誌名

      Proc. of CAIP2011

      ページ: 236-243

    • DOI

      DOI:10.1007/978-3-642-23672-3_29

  • [雑誌論文] Robust Hyperplane Fitting Based on k-th Power Deviation and alpha-Quantile2011

    • 著者名/発表者名
      J. Fujiki, S. Akaho, H. Hino, N. Murata
    • 雑誌名

      Proc. of CAIP 2011

      ページ: 278-285

    • DOI

      DOI:10.1007/978-3-642-23672-3_34

  • [雑誌論文] Fairness-aware Learning through Regularization Approach2011

    • 著者名/発表者名
      T. Kamishima, S. Akaho, J. Sakuma
    • 雑誌名

      Proc. of IEEE ICDM Workshops

      ページ: 643-650

    • DOI

      DOI;10.1109/ICDMW.2011.83

  • [学会発表] ベータダイバージェンスを用いた動的システムの状態推定2011

    • 著者名/発表者名
      福永修一, 赤穗昭太郎
    • 学会等名
      電子情報通信学会IBISワークショップ
    • 発表場所
      奈良県,奈良女子大学
    • 年月日
      2011-11-09
  • [学会発表] 曲線あてはめにおける特徴空間の特性について2011

    • 著者名/発表者名
      赤穗昭太郎, 藤木淳
    • 学会等名
      電子情報通信学会IBISワークショップ
    • 発表場所
      奈良県,奈良女子大学
    • 年月日
      2011-11-09
  • [学会発表] H∞フィルタとベータダイバージェンスの関係について2011

    • 著者名/発表者名
      福永修一, 赤穂昭太郎
    • 学会等名
      計測自動制御学会制御理論シンポジウム
    • 発表場所
      大阪府,ホテルコスモスクエア国際交流センター
    • 年月日
      2011-09-01

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公開日: 2013-06-26  

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