研究概要 |
研究は,主にアルゴリズム開発どソフトウェアによって方法論を検証するグループ(山口大学:末竹,内野)と,主にハードウェア設計・開発を行うグループ(東京農工大学:田.向,山口大学:末竹)の2グループ体制で行っている.グループ間/内で,3か月に一回程度の打ち合わせを行い,進捗状況の確認を行った,平成23年度は,前年度の研究成果をより発展させる形で,一般的な色覚特性を有する人と,1・2色型色覚特性を有する人の双方にとって色弁別が容易で,極力違和感のない映像を生成するアルゴリズムの確立を目指した.具体的には,1型2色覚と2型2色覚特性を有する人向けの最適化問題の目的関数を混合し定式化することで,2色覚特性を有する人の最適化問題を設定した.また,この最適化問題では,画像中の色相と彩度を極力変えない工夫を施し,明度のみを変更することで,1色覚特性を有する人と一般色覚特性を有する人をも含んだ形で,色弁別が容易で,かつ極力違和感のない処理結果を生成するアルゴリズムの構築を試みた.一方,ハードウェア設計・開発に関しては,開発中のアルゴリズムのハードウェアの基本設計,並びにシステム設計を東京農工大学にて昨年に引き続き行った.具体的には,アルゴリズムを並列型とへと拡張することを考えて,1画素の色変換処理に対応するProcessing Elgment(PE)に関する基本設計を行い,複数PEを備えるハードウェアシステムの設計を試みた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
映像向けの色変換アルゴリズム開発がやや遅れている.これは映像向けのアルゴリズムにおいて複数のフレーム間で同一対象物は同系統の色で描かれなければならず,更に対象物間での色弁別を可能にしなければならないために,アルゴリズム開発において静止画向けのものを単純に拡張するだけではうまくいかず,新奇アルゴリズムの創出が必要である点と,ハードウェア化のために,極力処理を簡素化する必要があるからである.これに伴い,ハードウェア開発にも若干の遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
研究の進捗が遅れいている場合に予定していた4カ月程度の予備期間を利用して,映像向け色変換アルゴリズムの開発を急ぐことを計画している.また,アルゴリズム開発の進捗状況に応じて,随時,ハードウェア設計グループと密な連絡を取りながら,研究を推進していきたいと考えている.
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