研究概要 |
本年度は,画像物体認識において色や形状について背景情報から曖昧度を評価し,曖昧度に基づき対象物体と観測ロボットの相対関係の変化により適切に特徴量選択が行われる認知システムを構築した.単にトラッキング物体の特量量だけでなく,対象物体の背景情報から,曖昧度と定常性に優れた別の対象物を能動的に選択し,これに基づいたランドマークを動的に生成するアルゴリズムを開発した.生成したランドマークは,表象トライアングルと呼ばれる3つの顕著性の高い,背景から抽出された特徴点が成す3角形で表現される.これは星座のように,明るい星を繋いで幾何情報を生成し,その相対関係として対象物の位置する領域情報が生成される. これまでの色,形状情報だけでは,突然の環境明度の変化やオクルージョンが発生した場合にトラッキング対象物を喪失してしまうが,幾何的関係性を付与することで,よりロバストな認知接続性を実現できる階層的不変項を与えることができる.実機実験により,複数ロボットの協調トラッキングが環境明度が変化したり,トラッキング対象物の一時的なオクルージョンが生じるような状況が発生しても対応可能であることが示された. 最終年度は,各ロボットがそれぞれ自分にとって認識しやすい不変項と相手が理解しやすい不変項を相互に擦り合わせる分散共有知覚の実現を図る.
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