研究課題
近年,スワームロボティクス(Swarm Robotics, SR)と呼ばれる群ロボットの行動制御に関する研究分野が大きな注目を浴びるようになってきている.しかし,SR分野において頻繁に取り扱われる単純な自己組織化原理に基づく行動制御方式では,「定点に集合する」「互いに離れる」などの限定的な単純タスクしか達成されていないというのが現状である.本研究では,この状況を打破すべく,研究代表者が提案している構造進化型人工神経回路網MBEANNにベースとして可塑的群知能システムを構築するための理論を展開し,従来法では不可能であった高難易度タスクを達成することに挑戦してSRの新領域を切り開くことを目的とした.本研究で取り扱うベンチマークとして,SR分野で取り扱われる問題の中でも最も難しいタスクに分類される「協調荷運び問題」を取り上げた.この問題では,スワームを構成する各ロボットには自律的に機能分化する能力,すなわち,自らの可塑性に基づいて状況に応じた機能を生成しながら適宜自身に割り当てる能力が必要になる.最終年度では,本研究の研究計画に従い,次の3つに焦点を当てて研究を行い,ほぼ計画通りの成果が得られた.まず,第1に,MBEANにおいて適応度変化の全く無い新しい突然変異方式を導入することに成功した.また,SRの群れ挙動を効率的に評価するため新手法を考案した.第2に,GPUコンピューティング技術を用いて島モデルの遺伝的アルゴリズムを実装方式を開発し,大幅な高速化を実現することに成功した.第3に,自律移動ロボットを新たに設計・製作を行い,合計10台からなるスワームロボットシステムを構築し,実機による基礎的実験を行った.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件) 学会発表 (20件)
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