国家プロジェクト「21世紀ロボットチャレンジ」などの進展で、高齢者の生活支援に役立つ知能ロボットが期待されている。一方で、個々の利用者・体調・状況に応じた生活支援の内容が適切に行われなければ、利用者の身体的機能低下を促すことや無理な運動量を要求するシステムになりかねない。そこで、心身活性化の機能メディア実現のための空間知ロボットシステムの研究に取り組んだ。心身を活性化させる認知プロセスもつ知的な機能空間研究を、a)認知に関するオントロジー、b)日常ログ収集、c)人センシングの高度化の各研究を発展させた。具体的には、非拘束なセンシング技術(ZigBee加速度センサネットワーク、カメラセンサデバイス)を活用して日常動作を推定する研究を推進し、「いつ、どこで、誰が、どういう状態にあるか」を推論する技術を示した。日常動作の内容は、「歩行」、「走行」、「臥位」、そして「立位」など動作状態のほか、日常生活動作の活動指標ADL(Activity of Daily Living)から「洗顔」や「歯磨き」など12動作、そして「転倒」という危険動作である。これら推定された日常動作をログ(日常動作ログ)としてデータベースへ記録し、蓄積した日常動作ログからや「ヒューマンモデル」を構築した。さらに、ヒューマンモデルを活用し、見守りロボットの支援サービス、スマートフォンを用いた日常ログ可視化サービス、そして知的車椅子ロボットの歩行支援など自立動作支援サービスへ展開した。
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