研究概要 |
「研究実施計画に基づきストレス負荷時における表情変化をWebカメラで撮影し解析を行った」 ・ストレス内容:冷水刺激(身体的:7℃)と認知課題負荷試験(精神的:2ケタの暗算)を同時に行う. ・プロトコル:安静(5分),ストレス負荷(5分),安静(5分).終了時に表情撮影(30秒間)と唾液アミラーゼ濃度測定(濃度が高いほどストレスが高いと報告されている). ・被験者(実験2時間前から飲食禁止):グループA(予備実験を含め複数回実施:6名),グループB(卒論提出前に1度だけ実施:10名). ・対象領域の検出:色情報(L^*a^*b^*)と形状的情報を用いて,顔部品領域(唇,目)を検出する.その位置情報から,皺眉筋(眉間),眼輪筋(目元),口輪筋(頬)等の評価領域を決定する.次に,対象領域内のテクスチャ特徴(濃度レベル差分法:コントラスト)を用いて評価を行う. ・結果:グループAではストレス負荷時にコントラスト値が変化し,安静時に元に戻る傾向が6名中4名でみられた.グループBでは,10名中7名に変化がみられた. ・検討:表情変化が見られる部位,及び,その大きさ(コントラスト値の変化率)は,左目元に顕著な変化が見られる,もしくは,眉間に表れやすい等,個人差がある点が明らかになった.複数回実験を行った,グループAの評価結果から,特定の個人は,同じ部位での変化する傾向がある点が確認された. ・唾液アミラーゼ濃度:コントロール実験と対比の結果,実験型(急性)のストレス負荷実験ではグループA,Bともにストレス負荷時に濃度上昇,安静時で減少といった明確な変化は見られず,濃度の高いグループと低いグループ(Aでは,高い3名,低い3名)に分かれた.グループBも同様であった.
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