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2011 年度 実績報告書

こころの健康問題を早期に発見するストレス表情検出システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22500182
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

沖井 広宣  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80224129)

研究分担者 塩谷 浩之  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90271642)
キーワードストレス評価 / 表情評価 / 唾液アミラーゼ / 顔画像 / 画像処理
研究概要

研究実施計画に基づきストレス負荷時における表情変化をWebカメラで撮影し解析を行った.
・ストレス内容:冷水刺激(身体的:7℃)と認知課題負荷試験(精神的:2ケタの暗算)を同時に行う.
・プロトコル:安静(5分),ストレス負荷(5分),安静(5分).終了時に表情撮影(30秒間)と唾液アミラーゼ濃度測定(濃度が高いほどストレスが高いと報告されている).
・被験者(実験2時間前から飲食禁止):グループA(予備実験を含め複数回実施:7名),グループB(卒論提出前に1度だけ実施:9名).
・対象領域の検出:色情報(L*a*b*)と形状的情報を用いて,顔部品領域(唇,目)を検出する.両目の重心座標を基準として,皺眉筋(眉間),眼輪筋(目元),口輪筋(頬)等の評価領域を決定する.
・眉間,左右眼元,左右頬の5か所の領域(大きさはすべて80×40画素)を用いてストレス評価を行った.・領域を5×5画素に分割し,テクスチャ特徴(濃度レベル差分法:コントラスト)を計算する.従って,1つの領域は16×5次元の特徴として評価される.
・安静時10枚,ストレス時10枚,安静時10枚の画像を選択し,コントラスト値の変化からストレス状態の検討を行った.
・結果:グループAではストレス負荷時にコントラスト値が変化し,安静時にもとに戻る傾向が7名中4名でみられた.グループBでは9名中5名に変化がみられた.
・検討:表情変化が表れる部位とその大きさは,個人差がある.複数回実験を行ったグループAの結果から,特定個人は,同じ部位で変化する傾向がある点が確認された,
・唾液アミラーゼ濃度:コントロールとの対比の結果,実験型(急性)のストレス負荷実験では,グループA,Bともに,ストレス負荷時に濃度上昇,安静時で減少といった明確な変化は見られず,'唾液アミラーゼ濃度の高いグループと低いグループに分かれた.
・現在,次年度行う実生活型(長期的)ストレスの実験方法について検討を行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成22年度は,検出した領域(眉間,眼元等)全体についてテクスチャ特徴を計算し,ストレス応答評価を行っていた為,ストレス応答による皺の位置移動等の評価ができなかった.その為,平成23年度は,その領域(横80×縦40画素:ほぼ目の長径の大きさ)を,5×5画素ごとに細分化し,1つの領域を16×5次元の特徴として評価を行った.その結果,ストレス応答による皺等の位置変化の検出が可能となった.これにより,実験型(短期的)のストレス応答で,唾液アミラーゼの濃度変化が少ない,被験者のストレス応答評価が可能となった.次年度へ向け,評価領域の最適な次元数等の検討,同時に,長期的ストレス評価の実施計画についても検討を行っている.

今後の研究の推進方策

平成22,23年度は,主に,短期的ストレス応答について実験を行い,その評価を行った.一方,長期的なストレス応答に関しては,例えば,卒業研究発表の前後1週間では,平常時と比較した場合,おおむね唾液アミラーゼ濃度の上昇が確認されている.その為,平成24年度は,実生活型(長期的)ストレス応答に主眼をおき実験を行う.ストレス内容としては学会発表である.対象は,大学院生2名,期間は発表の前1カ月を想定している.4,3,2,週間前までは,週に2回,入室時と退室時に定点撮影,及び,唾液アミラーゼ濃度の測定を行う.1週間前からは,発表修了時まで,毎日同様の測定を続ける.これにより,長期的なストレス負荷による表情評価の指標を得ることが期待される.同じ内容の実験を学部学生についても,卒論中間発表の前後で実施する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ストレス負荷時における表情変化の検出に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      小林将康, 塩谷浩之, 沖井広宣
    • 学会等名
      平成23年度電気・情報関係学会北海道支部連合大会
    • 発表場所
      はこだて未来大学
    • 年月日
      2011-10-22

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公開日: 2013-06-26  

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