研究分担者 |
春日 正男 宇都宮大学, 工学研究科, 教授 (00280909)
佐藤 美恵 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (00344903)
清水 裕子 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (30143184)
佐々木 和也 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (60292570)
石川 智治 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (90343186)
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研究概要 |
研究目的:本研究の目的は,布地の色彩画像からその質感を認識する際に各観察者が持つ布地質感データベースがどのような役割を果たしているのか,及び,画像品質は質感認識にどのような影響を与えているのか,この2点を明らかにすることである.ここでいう質感データベースとは認識メカニズムに存在すると思われる視覚と触覚情報が結合した感覚融合性記憶(視触覚記憶)を指す.また,ここでいう画像品質とは,解像度やコントラストだけでなく,対象をどのように撮影するかというコンテンツ性までをも含む. 本年度の成果: 素材が異なる11種類(ベロア,サテン,シルク,ポリエステル等)の黒無地と有彩色柄の布地を、A1:ドレープ有り(スポット照明)、A2:ドレープ有り(拡散照明)、B:ドレープ無しの平置き(拡散照明)の3種の条件で、プロのカメラマンが撮影した画像群をテスト刺激とした。今年度の研究費の大半はこの撮影費である。 被服系と工学系10名ずつの被験者群には実験前に布地に関するアンケート調査を実施した。次に、各被験者に、各布地画像をディスプレイで提示し、それを見ながらブラインドタッチでどの布地かを当てるよう指示した。11枚×3条件=33画像で、1人1回ずつの試行である。布地に関する知識・経験の多い被服系被験者群の方がブラインドタッチ実験での正解率がやや高く、各観察者が持つ布地質感データベースの寄与が示唆された。また、ドレープ有り画像(A1&A2)の方がドレープ無し画像(B)より正解率が高く、被験者がドレープによる明暗変化から布地質感に関する多くの情報を獲得している事がわかった。
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