サーバ上で標準化されたデータから(1)オブジェクトの感性評価を(2)評価者のタイプを考慮して行い,さらに(3)関連異種オブジェクトの感性評価との関連づけを行った。商品開発には,流行などの社会的な動向も無視できず,上記(1)~(3)の評価関連づけから,商品開発に有用な感性情報の提供に必要な事項を抽出し,感性評価の関連を明らかにするためのアーキテクチャを確立した。 本研究では,感性パラメータによって収集された大量データに対して上記手法を混在併用することによって,新たに時間経過による変動や,評価者の嗜好タイプを考慮した感性情報提供ができるシステムの開発を目指し,解決の方向を明らかにすることができた。 提供すべき商品開発に有用な感性情報の提示方法も重要である。感性パラメータ法は,非言語系の数値解析であるため,分析結果が言語表現ではない。また,得られる解析結果は明確な境界を持たないので,結果の呈示にはなんらかの工夫が必要である。数値,言語への変換以外に,実体(色や香りそのもの)を含めて解析結果の呈示方法の開発をおこない,色彩の組み合わせで提示する方法を提案した。本研究によって,商品開発に感性情報を加味することが容易になると予想される。これによって,商品が対象となる消費者にとってより魅力的になる。調査の範囲を国際的にすることで,きめ細かな日本的センスを活かし,外貨獲得のための国際的な商品開発も活発化することが期待できる。 上記の,実験を行うためにモバイル通信端末とサーバシステムを構築し,さらに実験付近に置くためのサブサーバシステムを作成し導入した。このことによって,インターネット接続が難しい場所における調査研究も可能になった。
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