研究課題/領域番号 |
22500190
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
柴田 滝也 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (30349807)
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キーワード | 感情モデル / 着座姿勢 / 感性情報処理 / 圧力センサー / 加速度センサー / 非言語コミュニケーション |
研究概要 |
前年度の分析結果から、他者が側面から見た着座姿勢の感情構造として、「覚醒度」、「快適度」、「防御度」の3心理要因が抽出された。「覚醒度」と身体上部の角度とに関係があることから、足下、椅子の座面、背もたれに計12個の圧力センサーを装備した着座姿勢測定装置によるセンサー値と「覚醒度」と関係を見つけ、圧力センサーで「覚醒度」が推定可能であることが分かった。「快適度」、「防御度」は、身体本体より、身体部分としての脚部、腕部、頭部の状態に関係があることが分かったので、本年度は、新たに以下の項目について研究を行った。 1.「快適度」、「防御度」を推定するために、腕部、頭部の位置センサー値と加速度センサー値を計測し、各種センサー値との関係を分析 2.見え方の相違をみるために、側面と正面から見た着座姿勢の感情構造比較分析 3.座り心地を考慮したソファーによる「覚醒度」の実時間推定システムの構築 以上の3点についての結果として、 1.加速度センサーを腕部と頭部に装着すると70%前後の精度で推定が可能になった。ただ、非接触ではないので、今後の課題である。一方、位置センサーは60%前後の精度で、加速度センサーより精度は少し落ちた。両方のセンサー値を利用すれば、「快適度」、「防御度」の精度が向上すると考えられる。今後の課題とする。 2.側面と正面から見た着座姿勢の感情構造の相違はなかった。よって、着座姿勢の見え方によらず、感情構造は変化しないことがわかった。 3.ソファーにしたことによって、一部のセンサー精度が落ちることがわかった。その影響で「覚醒度」の推定モデルの精度が落ちたが、「覚醒度」の実時間推定システムは完成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
9で述べた通り、着座姿勢の分析項目が増えたため、顔の表情と着座姿勢との相互作用による感情分析が実施されていないため、達成度はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
分析項目が計画より増えたため、顔の表情と着座姿勢との相互作用による感情分析より、重要だと考えられる下記の項目を重点的に行う。 1.着座姿勢の「覚醒度」、「快適度」、「防御度」の実時間推定システムの構築 2.2者間の感情伝達のためのシステム構築および分析・評価
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