研究概要 |
前年度に金融危機前後の市場の振る舞いを特徴つける手法を論文として公開, 採択率11.5%の国際会議に採択されるとともに, 学会賞を受賞することができた. 以下で詳細を述べる. 下記のように最終年度である今年度は研究成果の公開に重点をおいた活動となった. 以下具体的に記述する. (2-A) 労働市場 前年提案した「拡張された壷模型に基づく大卒労働市場の数理モデル」に関し, 年間複数回の就職機会が与えられる我が国の大卒労働市場に関し, その就職機会依存性(ある種のサイズ依存性)を調べるために, 就職率, 定員未充足率, 求人倍率の就職機会依存性をモデル計算と実データ解析から検討した. これらの結果は進化経済学会の欧文誌から出版予定である. (2-B) 金融危機の特徴付け 東日本震災前後の東証株式市場に対し, ミクロなトレーダの意思決定に「静観」を含めた3状態イジング模型で金融市場のマクロモデルを構成し, 金融危機を静観トレーダの割合で特徴つけることを試みた. 結果は学術雑誌に投稿中である. また, 前年度までに得られた結果を論文としてまとめたところ, 人工知能学会 ファイナンスにおける人工知能応用研究会 学生論文賞を受賞するとともに, 12月米国・ワシントンで開催された採択率11.5%の国際会議で採択され, さらに同学会の論文誌への掲載されるに至った. なお, 対象: (1)画像, (3)群れシミュレーションに関しては, 前年度からの進展は得られなかったが, これら2つの問題に共通する課題として, エージェント(要素)の個々の振る舞いから, エージェント間の相互作用を推定するフィレームワークが必要であるとの認識のもと, この問題を逆イジング問題として定式化する方向での深化を測ることが今後の目標となった (平成25-27年度科研費 基盤研究 (C)として内定).
|