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2012 年度 実績報告書

ロバストかつスケーラブルな進化計算による超大規模最適化問題の解決

研究課題

研究課題/領域番号 22500196
研究機関北海道大学

研究代表者

棟朝 雅晴  北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (00281783)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード進化計算 / 大規模並列化 / メニーコア
研究概要

本年度においては、昨年度に引き続き進化計算アルゴリズムの改良を進めるとともに、大規模並列進化計算のGPU上での実装をさらにすすめ、薬剤構造の探索を高速に行うシステムを実現した。アルゴリズムの改良としては、実数と整数が混在した困難な最適化問題である混合整数計画問題について実数値遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm, GA)と2進数による通常のGAを混在させたBinary-Real GA (BRGA)を提案するとともに、GPUにおける各スレッドで並列に有望な薬剤構造に関する局所探索を行う手法を提案することで、並列化の効率を向上させることができた。
加えて、クラウドコンピューティング環境下における大規模並列実装についても検討進め、多数のバーチャルマシン、演算コアを利用できるInfrastructure as a Service (IaaS)環境を前提とした検討をすすめた。具体的にはクラウド環境におけるMapReduceによる大規模並列化について、進化計算を用いた代表的な機械学習アルゴリズムであるClassifier SystemのHadoopによる大規模並列実装を行い、不正侵入パターンを学習する侵入検知問題へ適用することで、大規模なデータを高速に学習するためのフレームワークを実現した。
さらに、クラウドコンピューティングで近年注目を集めているPlatform as a Service (PaaS)環境における大規模並列実装についても検討を行い、代表的なPaaS環境であるCloudFoundry上において、多数のバーチャルマシンを用いたInteractive Evolutionary Computation (IEC)の大規模並列実行環境を実現し、多数のユーザからの入力に対応して自律的な進化を実現することのできるプロトタイプシステムを構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画では、進化計算のGPUにおける大規模並列実装が中心であったが、その部分についてはおおむね十分な成果をあげたため、クラウドコンピューティングの環境を前提として、理論上無限のバーチャルマシンや演算コアを利用できる場合を想定した検討をすすめており、その部分についても成果をあげている。クラウドコンピューティングに関する検討について、Hadoopによる大規模並列データ処理環境における成果に加えて、CloudFoundryによる先端的なPaaS環境への実装についても検討を進めることができており、当初の計画を上回る成果をあげつつある。

今後の研究の推進方策

今後の計画としてはクラウドコンピューティング環境における大規模並列化を中心に研究を進める予定であり、特にHadoopなどの大規模並列データ処理環境におけるClassifier Systemなどの大規模並列機械学習フレームワークの実現について検証をさらにすすめるとともに、CloudFoundryなどのPaaS環境においてInteractive Evolutionary Computationを実装したプロトタイプシステムの構築をさらにすすめ、インタークラウド環境等の世界規模での超大規模並列実行環境を想定した、理論上無限に拡張可能となるスケーラブルな進化計算実行フレームワークの実現を目指すものである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] An adaptive parameter binary-real coded genetic algorithm for constraint optimization problems: Performance analysis and estimation of optimal control parameters2013

    • 著者名/発表者名
      Omar Arif Abdul-Rahman, Masaharu Munetomo, Kiyoshi Akama
    • 雑誌名

      Information Sciences

      巻: 233 ページ: 54-86

    • DOI

      10.1016/j.ins.2013.01.005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An adaptive Parameters Binary-Real Coded Genetic Algorithm for Real Parameter Optimization: Performance Analysis and Estimation of Optimal Control Parameters2012

    • 著者名/発表者名
      Omar Abdul-Rahman, Masaharu Munetomo, Kiyoshi Akama
    • 雑誌名

      IJCSI International Journal of Computer Science Issues

      巻: Vol.9, Issue 2, No.1 ページ: 37-53

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A GPU accelerated Fragment-Based de Novo Ligand Design by a Bayesian Optimization Algorithm2012

    • 著者名/発表者名
      Mohamed Wahib, Asim Munawar, Masaharu Munetomo, Kiyoshi Akama
    • 雑誌名

      IPSJ Transactions on Bio Informatics

      巻: 5 ページ: 7-17

    • DOI

      10.2197/ipsjtbio.5.7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 混合ベイジアンネットワークを導入した分布推定アルゴリズム2012

    • 著者名/発表者名
      堀伸哉, 棟朝雅晴, 赤間清
    • 雑誌名

      進化計算学会論文誌

      巻: 3 ページ: 63-72

    • DOI

      10.11394/tjpnsec.3.63

    • 査読あり
  • [学会発表] リンケージツリー遺伝的アルゴリズムにおける計算量削減の検討2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木一史
    • 学会等名
      進化計算シンポジウム2012
    • 発表場所
      ホテルマロウド軽井沢(軽井沢町)
    • 年月日
      20121215-20121216
  • [学会発表] Toward A Genetic Algorithm Based Flexible Approach for the Management of Virtualized Application Environments in Cloud Platforms2012

    • 著者名/発表者名
      Omar Abdul-Rahman
    • 学会等名
      The 21th International Conference on Computer Communications and Networks (ICCCN2012)
    • 発表場所
      University der Bundeswehr Munchen (Germany)
    • 年月日
      20120730-20120802

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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