研究課題
本研究では、多様な時空間パターンを発生する大規模な結合カオス回路網を構築し、回路実験・計算機による数値シミュレーション・理論解析を通して、大規模結合カオス回路網に発生する「位相同期パターンの時空間特性の調査」,「位相同期パターンの時空・周波数特性の調査」,「位相同期パターンの外部入力応答特性の調査」を行い、さらに、大規模結合カオス回路網の「位相同期パターンの複雑な振る舞いを有効に利用した情報処理ネットワークの設計」を行うことを目的としている。本年度に得られた主たる成果は以下の通りである。1.パラメータ変動を含むカオス発生数学モデルの結合系に見られる同期現象の解析二個から十個程度の簡単なカオス発生数学モデルを結合したシステムにおいて、各構成要素に周期的なパラメータ変動を与えた時に見られるカオス同期とその自己スイッチング現象についての解析を行った。特に、三個の結合システムにおいて、自己スイッチング現象の平均滞在時間の結合強度に対する依存性、及び、自己スイッチングが発生する領域についての詳細な調査を行った。2.アフォーダブルニューラルネットワークのスケーリング特性に関する研究カオス的あるいはランダムに結合荷重が変動するアフォーダブルニューラルネットワークは、ダイナミックに構造が変化する大規模複雑系とみなすことができる。本研究では、アフォーダブルニューラルネットワークに、大規模複雑系にしばしばみられるスケーリング特性がみられることを確認し、さらに、その特性を有効に活用することで、ニューラルネットワークの性能の向上が図れる場合があることを示した。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
RISP Journal of Signal Processing
巻: vol.14, no.4 ページ: 257-260
Proceedings of International Symposium on Nonlinear Theory and its Applications
巻: n/a ページ: 496-499
Proceedings of RISP International Workshop on Nonlinear Circuits and Signal Processing
巻: n/a ページ: 199-202