研究課題
今回、決定情報表の下で提案・応用されているラフ集合理論を不完全情報表も処理する体系に広げ、拡張された体系におけるデータマイニングの枠組み、処理アルゴリズム、実験システム(プログラム)の作成を進めた。研究代表者は、現在まで離散値情報の不完全性(非決定情報を意味する)を扱う体系「ラフ集合非決定情報解析」の研究を進めてきた。今回、研究対象を連続値情報の不完全性(区間情報を意味する)まで広げた。離散値の場合には起こり得る可能な場合(派生する決定情報表)を自然に定義できるが、区間情報の場合には集合の濃度との関係から起こり得る場合が無限個になることもあり、離散値と比べてその扱いが難しい。そこで、起こり得る場合を規定するために解像度(Resolution)γを与え、γに基づく体系として再構築した。もともと区間情報の不完全性は相対的なもので一様に決定されるものではないと考える。これは、ファジィ理論で知られるザデー教授が主張された粒状計算(Granular Computing)に通じる内容と考える。実現に向けては、既に提案しているNIS-アプリオリアルゴリズムに(解像度γによる)離散化処理を追加し、Prolog言語により実現した。以前、C言語を用いた実験システムの構築を検討したが、非決定情報を処理する立場を考慮しProlog言語を用いた。NIS-アプリオリアルゴリズムでは(派生する全決定情報表に基づいて定義される)最少指標値・最大指標値がラフ集合の枠組み、特に可能同値類の演算により計算できることを示している。この計算法を用いることにより、区間情報まで対応するNIS-アルゴリズムにおいても、計算量はオリジナルのアプリオリアルゴリズムと殆ど変らないと考えられる。
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