研究概要 |
まず,遺伝演算子を入力された個体群に対して何らかの操作を施し,その後新しい遺伝演算子に結果を出力として送るものとして一般化し,その上で新しい進化型計算の理論を構築した.具体的には以下の項目について明らかにした. 1. 柔軟な表現力を有する進化型計算の提案 遺伝演算子の組換えや変更が容易な柔軟な表現力を有する進化型計算を提案し,本研究の基礎となる理論的枠組みを構築した.Javaにより進化型計算の遺伝演算子構造を自由に設計可能なアプリケーションを作成した. 2. 遺伝演算子がネットワーク構造を持つ新しいECの提案 これまでのECは,常に遺伝演算子が一次元構造を持つとされてきた.この点を拡張するため,ネットワーク構造のような複雑な連結構造を遺伝演算子間に設定可能なECの理論を提案した. 3. 個体間の近傍を可調整パラメータとした場合のECの解析 遺伝演算子に対する個体間の近傍は,単純GAのような全体型,4近傍(8近傍)を用いるセルラー型,部分個体群を用いる島モデル型などがあるが,それぞれを融合する場合や,スモールワールド型のような新しい近傍について研究されていないため,その重要性を明らかにした.また,自律的遺伝演算子を用いたタマホコリカビ型遺伝的アルゴリズムを提案し,探索空間の可視化システムによりその有効性を示した. 4. 提案システムの実問題への適用. 提案システムの性能を評価するために,対話型進化に基づく人工無脳システムおよび物語生成システムを提案した.また,GPによる株式市場におけるボラティリティモデルの推定手法を提案した.
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