研究概要 |
本研究の目的は,複数の探索点の相互作用が織り成す多様化と集中化の作用によって,関数の微分可能性を前提にせずに関数値のみの情報用いて,大域的最適解を効率良くかつ精度良く探索することができる最適化手法を開発すること,およびこれらの開発した最適化手法を用いて,(1)複雑な制約条件を有する問題,(2)複雑な構造をしている問題,(3)複数の解が離散的に散在する問題,などに対して有用な計算アルゴリズムを開発することである.そのために (a)ヒューリスティック手法に「世代交代」の概念を導入して,大域的最適解の探索性能をより高めた「非同期世代交代型Particle Swarm Optimization」 (b)カオス挙動による大域的最適解探索性能を飛躍的に高めた「多点型離散化時変慣性系モデルによる最適化手法」 (c)滑降シンプレックス法を取り入れて大域的最適解探索性能を高めた「Differential Evolution」を新たに提案した.そして,これらの成果を踏まえ,またこれらの開発手法の応用として,(ア)非線形制約条件を有する最適化問題に対するParticle Swarm Optimizationに親和的なペナルティ法(イ)順列変数最適化問題に対して,連続変数から順列を生成する作用素を介在させたParticle Swarm Optimization (ウ)複数の最適化問題が干渉するゲーム問題に対して,その合理解であるNash均衡解が複数存在する場合に,その中で最良解を求める問題に対するParticle Swarm Optimization(エ)多目的最適化問題の非劣解集合を一様に被覆する能力に優れたDifferential Evolutionの開発と,それらの計算機実験による性能評価をおこない,学術論文および学会講演をおこなった.
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