研究概要 |
言語を計算する事の意味と有効性を評価するため,以下の2つのシステムを実装・評価した.その結果,言語表現された経験をもとに,人が未来を予測すると同様の機能を実現することができ,言語コンピューティングの実用性と可能性を示唆することができた. 1)ニュース記事を利用した映画予測; 未来のヒット映画するシステムを実装し,その有効性を示した.具体的には,"原因"として過去のニュース記事と"結果"としてその後のヒット映画の関係を解析することで,因果事例を格納,新しい世相を入力し,事例ベースを参照することによりヒット映画の予測を行う.結果として,ヒット映画の一部が予測可能であることを示した. 2)未来のイベント予測; 未来の世相を言語の時系列データを用いて予測をする手法を提案した.その結果,ある程度の有効性を示すことができた.時系列に並んだ現象において,N日間に発生した現象がその後の現象に影響を及ぼしていると考えられる.したがってまず,そのN日間に起きた現象を表すような単語を複数抽出する.次に,N-1日までのそれぞれの単語集合同士を全て組み合わせ,N日目に影響を与えたと考えられる要因ベクトルを生成する.この要因セットとN日目の単語集合との関連度を求めることで,事例ベースを生成する。予測時は,学習した事例から予測したい日の前に起きた現象とのマッチングをとり,その後に起きる可能性が最も高かった現象を出力した.
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた,セカンドライフでのコミュニケーション支援実験は,システムから得られるユーザログに限界があり,無理であることが分かった.言語コンピューティングを行うため,別の環境を用意する必要がある.
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