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2010 年度 実績報告書

学習順番に含まれる統計情報を自動抽出し自己組織的に物体認識する連想記憶モデル

研究課題

研究課題/領域番号 22500216
研究機関大分工業高等専門学校

研究代表者

木本 智幸  大分工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (30259973)

研究分担者 上江洌 達也  奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (10160160)
キーワード連想記憶モデル / 統計力学 / 安定性解析 / 学習順番 / 情報抽出 / 相転移 / 自己組織化
研究概要

常に連続観測される観測像は、同一物体の各方位からの観測像である可能性が高く、逆に、連続観測されたとしてもそれが一過性である場合は、互いに無関係な物体の観測像である可能性が高い。そこで、観測順番に関する統計性を使って、観測物を自己組織的に認識するモデルの構築が本研究の目的である。学習順番の近さを相関の近さに変換して記憶するモデルにAmitの連想記憶モデルがある。本研究の22年度の研究目的は、Amitモデルの学習順番にランダム性を入れることで、獲得アトラクタ相互の相関性がくずれ、相関のないアトラクタに変換されるかを調べることとした。解析の結果、学習順番に入れるランダム度合いに応じて以下の3つのアトラクタが存在することが分かった。学習順番に完全な連続性がある場合は、従来から知られているように獲得されるアトラクタ間の相関の強さが学習順番の近さに応じて変換された。一方、学習順番がほぼランダムであると、相互に無相関のアトラクタに変換されて記憶されることが分かった。また、学習順番の連続性とランダム性が同程度含まれると、獲得されるアトラクタは相互に相関はあってもその相関値に違いはなく、学習順番の情報は保存されないことが分かった。学習順番に連続性が強いと、それらの記憶パターンが順番の情報も含んだ状態で保存され、連続性が中程度になると順番情報は失われて関連があるということだけの情報が残り、連続性が非常に弱くなる記憶パターンは相互に関係がないことを表現するようになり、リーズナブルな情報表現がなされていると考えられる。この3状態の変化は、学習順番の連続度合いによって、一次相転移が生じるように変化した。以上から、学習順番情報が、自己組織的な情報処理モデルの構築に有効な情報となりうることが分かった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Stability Analysis of Attractor Neural Network Model of Inferior Temporal Cortex-Relationship between Attractor Stability and Learning Order-2010

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Kimoto, Tatsuya Uezu, Masato Okada
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan

      巻: 79 ページ: 064001-1-064001-7

    • 査読あり
  • [学会発表] 位相振動子ネットワークとXYモデルの相転移の研究2011

    • 著者名/発表者名
      上江洌達也、木本智幸、岡田真人
    • 学会等名
      日本物理学会講演概要集
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2011-09-21
  • [学会発表] メキシカンハット型相互結合を持つXYモデルの解析2011

    • 著者名/発表者名
      木本智幸、上江洌達也、岡田真人
    • 学会等名
      日本物理学会講演概要集
    • 発表場所
      新潟大学
    • 年月日
      2011-03-25
  • [学会発表] 入力信号の出現確率に偏りがある場合の自己組織化マップ2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤孝史, 木本智幸
    • 学会等名
      電子情報系高専フォーラム講演論文集
    • 発表場所
      熊本高専
    • 年月日
      2010-11-13
  • [学会発表] Phase transition in phase oscillator network and classical XY model on a circle with Mexican-hat type interaction2010

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Uezu, Tomoyuki Kimoto, Masato Okada
    • 学会等名
      Japan-Slovenia Seminar on Nonlinear Science (Kansai 2010)
    • 発表場所
      関西大学
    • 年月日
      2010-11-08
  • [学会発表] メキシカンハット型相互結合を持つXYモデルの解析2010

    • 著者名/発表者名
      木本智幸、上江洌達也、岡田真人
    • 学会等名
      電子情報通信学会技術研究報告
    • 発表場所
      九州工業大学
    • 年月日
      2010-10-16

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公開日: 2013-06-26  

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