研究課題
記憶パターン(外部刺激)の学習順番が相互に近い時刻で繰り返し提示されるものは相互に関連のあるパターンである可能性があり、近い時刻の提示が一過性であるものは、独立した無関係なパターンである可能性が考えられる。過年度において、この統計性を自動抽出して学習順番が近い記憶パターン同士を混合したアトラクタを自己組織的に格納する連想記憶モデルを構築することができ、その性質の解析をうことができたが、±1の2値表現を持つisingスピンで構成された連想記憶モデルであったため、モデルの持つ情報表現の広がりが乏しかった。そこで本年度は、ーπ~+πまでの連続値を状態変数に持つ、XYスピンで構成された連想記憶モデルに発展させ、さらに実際のニューロンに近づけるために位相振動子系で構成された連想記憶モデルに発展させることを目的とした。XYスピン系の連想記憶モデルの解析を行うには、学習順番の統計性を入れる前に、まず基本モデルでのアトラクタ構造を解析する必要がある。基本モデルの解析の結果、XYスピン系連想記憶モデルでは、isingスピン系連想記憶モデルと性質が大きく異なり、記憶パターンが連続アトラクタとなった相互につながることが分かった。連続アトラクタは、認識モデルを作るために重要なアトラクタ構造であると考えられるため、他の研究者にも研究指針を与える可能性がある。このように、新たな研究の方向性が発見された。位相振動子系連想記憶モデルの解析は、その解析理論がなく、この開発を行う必要があった。そこで、XYスピン系連想記憶の解析結果を利用して、位相振動子系で構成された連想記憶モデルの解析法の開発を試みた。その結果、位相振動子系のモデルを解析するための解析手法の基礎理論を開発することができた。これにより、位相振動子系の研究者に新たな研究手法を与えられると考えられる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of the Physical Society of Japan
巻: 81 ページ: 064001-1~10
Journal of the Physical Society of Japan, Letter
巻: 81 ページ: 073001-1~4