研究課題/領域番号 |
22500222
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
青柳 英治 明治大学, 文学部, 准教授 (00515075)
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キーワード | 情報図書館学 / 専門図書館 / 専門図書館員 / 図書館員養成 / 情報サービス |
研究概要 |
本年度は、まず、前年度に準備をしてきた質問紙調査を実施した。具体的には、平成23年5月下旬から6月中旬にかけて、1,023機関に対して質問紙を郵送した。その結果、669機関から回収できた。このうち、閉鎖や回答辞退などの理由で十分な結果が得られなかった85機関を除くと、有効回収数は584機関(有効回収率57.1%)であった。回収した質問紙をもとに、単純集計、クロス集計ならびにカイ二乗検定を行った。その結果、回答機関の属性、職務内容の全体的傾向、サービス対象者と機関種別に実施されている職務内容の状況などを明らかにすることができた。職務内容ごとの実施状況については、全体に「実施している」職務数が、「一部実施している」職務数よりも多い状況にあった。しかし、情報技術を活用した先端的なサービスの中の2つの職務については、「一部実施している」が多い職務であった。この点は、今後の専門図書館のサービスの方向性を検討する上で、着目するべき点となる。本調査でこうした点を発見できたことは成果のひとつと言える。 質問紙調査では、職務内容の実施率が高く、かつ、一定数の情報技術を活用した発信型のサービスを提供している機関を把握することができた。次に、こうした機関に対して質問紙調査で得られた内容をさらに深化させるべく、聞き取り調査を実施し、職務内容の状況について検討を進めた。具体的には、平成23年12月上旬から平成24年1月中旬にかけて、7機関(企業2機関、団体2機関、独立行政法人2機関、地方公共団体1機関)に対して聞き取りを行った。聞き取り調査は、研究協力者である長谷川昭子と行った。その結果、質問紙調査からは、うかがい知ることのできなかった具体的な実施職務と提供しているサービスの内容を把握することができた。これらの成果のうち、質問紙調査の結果については、平成23年11月12日に行われた日本図書館情報学会研究大会で発表し、成果の普及に努めた。 本年度は、本研究の目的の前半部分にあたる「専門図書館における情報サービス活動の実情を、質問紙調査と聞き取り調査によって実証的に明らかにする」ことができたと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究の目的」を明らかにするために、平成23年度で実施するべき研究は、ほぼすべて実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成22年度と23年度では、専門図書館における情報サービス活動の実情を明らかにするために、質問紙調査と聞き取り調査を実施した。本研究の最終年度にあたる平成24年度では、二つの調査結果を総合的に検討したうえで考察を行う。その結果をもとに、専門図書館職員の養成の基礎を成し、構成要素となる知識・技術を明らかにした論文を本研究の成果として発表する予定である。
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