研究概要 |
債券数学の「債券ポートフォリオの管理」のための,コーパスの第1版をXMLにより作成.約40個のユニークなセマンティクスのラベルを選択した.また,債券数学のための数学公式データベースを構築した.その記述能力を検証するため,広く使われている債券数学のテキストに載っている文章題をこのラベル及び公式を使って解いてみた.これにより,これらの公式は19と数を絞り込んであるが,通常の問題を解くのに十分な記述能力をもつことを検証した. 解法プラン(推論プロセス)を求めるためのメソッドとして,債券数学用意味モデルを作成.これは,債券数学に係る公式をエンティティとした,Entity-Relationshipダイアグラムである.この意味モデルは,推論エンジン法により問題を解こうとする学生の,解法プランの発見を支援する. 債券文章題に対して,解法プランをXMLで記述.解法プランは,先に述べたラベルや公式を参照する.来年度以降,これらの知識ベースを用いた学習支援システムの構築を行いたい.そのための技術要素として,今年度,以下を開発した:(1)解法プランXMLパーサー,(2)解法プラングラフ描画ツール,(3)TeXソースの画像化ツール. 推論エンジン部内には,実際の数式処理計算を行う機能と,解法プラン実行過程のビジュアライゼーションのための数式描画機能が必要である.当初はMapleを使う計画であったが,将来は成果物の無料配布を行いたいため,フリーソフトウェアのMAXIMAに変更した.今まで書いたMapleプログラムを,MAXIMAへ翻訳し,機能的に代返可能であることも検証した.そして,2010年11月,全国の高校教師他を対象として,フリーの経済数学グラフィクス教材webサイトgraphics 10を公開した.
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