平成22年度においては、研究代表者と研究分担者1(松中)が、遺伝子組換え作物・食品に関わる賛成・反対双方の広告的画像を収集し、視覚的メタファー表現の分析を行った結果、資源領域のカテゴリーに特徴があり、プロトタイプ効果などの認知効果がみられた。その成果を、RaAM国際学会およびイギリス認知言語学会にて発表した。この学会で得られたフィードバックと情報収集に基づき、言説のメタファー分析への応用方法について検討し、データ収集に着手した。 分担者2(三石)は、遺伝子組換え作物・食品に関わる流通分野・経営戦略分野・政府方針等に関する言説の収集と考察を行い、研究代表者・分担者1との情報共有を図った。また日本における遺伝子組換え作物・食品普及政策にかかわるこれまでの10年間の国内外の動きについてまとめ、The 20^<th> Annual World Forum and Symposium(International Food and Agribusiness Management Association)にて発表を行った。 代表者と分担者1は、分担者2の行った成果を参考にしつつ、主にウェブ上で見られる言語資料のメタファー構造分析を開始した。幾つかの特徴的な資源領域が検出された。22年度の段階で得られた結果を、23年度、国際語用論学会にて発表する予定である。また、分担者2だ収集・分類を行った、国内の高等学校用の理科・社会科・家庭科の教科書における遺伝子組換え作物・食品に関する記述・表現の仕方について、代表者と分担者1が今後分析を行うため、方法等の検討を行った。
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