研究課題
本研究の目的は、1:乳幼児期における対面コミュニケーションが社会的認知や言語発達に影響をおよぼすメカニズムを実験発達心理学的に検証し、行動データに基づいてその基盤を実証的に解明すること。2:成果に基づいた生物学的基礎-社会的経験の相互作用モデルを通じて、近年進展が著しい対話型映像メディアやロボティックスがコミュニケーションおよび教育に及ぼす効果を対面条件との比較のもとに提示し、発達支援・発達障害療育実践に寄与しうる知見を提供すること、の二点である。最終年度に当たる今年度は、他者の(暗黙的)対面コミュニケーションの理解についての行動実験をおこなった。まず、2-3歳児を対象に、キャラクター(ぬいぐるみ)への好みと、社会的な期待との関係を検討し、「好きな方が”勝つ”(勝って欲しい)」という期待が、幼児期から強固にみられることをあきらかにした。また、3-5歳児を対象に、「これは?」という、指示対象が曖昧な場合の発話解釈の発達について検討した。「耳うち」ジェスチャーによる情報伝達の想定は成人では強固なバイアスを示すが、6歳児では困難な側面があることをあきらかにした。成人の対面コミュニケーションについても検討し、薬理と行動実験を組み合わせた共同研究から、ミノサイクリン投与が、社会的なゲーム状況や対人魅力判断に基づく協力行動の実現に高い影響力を及ぼすことをあきらかにし、社会的行動の生理的基盤に関するあらたな知見を提示した。以上の成果は、すでに国際学術雑誌に掲載済みか、現在投稿中および投稿準備中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
巻: 3, 1685 ページ: 0-1
10.1038/srep01685
PLoS ONE
巻: 7(7): e40461. ページ: 0-1
10.1371/journal.pone.0040461
http://www.hes.kyushu-u.ac.jp/~devpsy1/top.htm