研究課題/領域番号 |
22500244
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研究機関 | 植草学園大学 |
研究代表者 |
鳥居 深雪 植草学園大学, 発達教育学部, 准教授 (90449976)
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研究分担者 |
杉田 克生 千葉大学, 教育学部, 教授 (40211304)
下山 一郎 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター, 教授 (60115483)
岡田 智 共立女子大学, 家政学部, 講師 (10458862)
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / Executive function / Weak central coherence / 子ども / 情報処理 / NIRS |
研究概要 |
i.自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder:ASD)の子どの行能(Executive function:EF)障害と弱い中枢性統合(Weak central coherence:WCC)に関連する認知特性の解明・保護者の同意を得られたASD研究協力者について、心理検査(DN-CAS)の実施、およびEF課題、WCC課題実施時のNIRSの測定を行った。DN-CAS及びNIRSの結果については解析中である。WCC課題に対する反応の分析からは、ASD児には、情報の統合の問題が見られた。例えば、写真を見て、ビル→都会、という単線的な情報処理については、定型発達大学生と差が見られなかったが、車がたくさん止まっている写真から「駐車場」という意味を導き出すことができなかった。車+たくさん+止まっている→駐車場、という統合的な情報処理に困難が見られた。Weak central coherenceは、情報処理における統合の問題だという仮説が成り立つ。また、背景情報などが加わって情報量が多くなると、意味の取り違えが目立つようになった。さらに、固定概念へのとらわれも見られた。ASD児には、統合的な情報処理の困難さ、選択的注意における状況の中での重要性の判断の間違い、自分の既有経験からの広がりにくさ、などが見られることがわかった。 ii.方略を使用できるようにするためのプログラムの検討・EF方略教育プログラム(Executive Function Strategy Education Program:EFSEP)とCC方略教育プログラム(Central Coherence Strategy Education Program:CSEP)の原案を作成した。EFSEPは、シンボルを用いて意味的方略を強化するトレーニングである。課題としてピクトグラムの中の、子どもに身近なシンボルを使用する。3つの単語を20秒間提示し、20秒間妨害刺激をあたえた後、提示刺激とした単語を示すシンボルを順番通りに選ぶ課題である。提示刺激とされた文字情報に一致するシンボルが選ぶためには、意味的方略を使用しなければならないので、EFの方略を使用するトレーニングとなる。CC方略教育プログラム(Central Coherence Strategy Educational Program:CSEP)については、作成のための予備調査を行った。
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