研究概要 |
本研究の目的は,現在,欧米言語圏で広く受け入れられている発話モデルを準拠枠に,日本語話者のアクセント・パタン指定と音韻生成のプロセスを明らかにすることである。具体的には、1)日本語の単語アクセント・パタンには音韻構造ごとに異なった分布の偏りが存在し、音韻符号化過程の容易度に影響していること、2)言語の違いを問わず基本的・普遍的な音の単位として指摘されている「音節」が、モーラ単位の特殊な音韻体系をもつ日本語においても、音韻構造生成のプロセスで機能的な単位となっていることについて心理言語学的、脳科学的に検討する。本年度は、本実験に先立って、ターゲット単語(刺激)の選定とそれに対応する線画刺激の作成、及び命名一致率、概念親密度、及び単語属性(単語親密度、心像性など)等の刺激統制を試みた上で予備的な検討を行った。
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