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2010 年度 実績報告書

音楽における長調と短調から受ける明暗の感覚の神経生理学的基礎の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500246
研究機関東京電機大学

研究代表者

根本 幾  東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (40105672)

研究分担者 王 力群  東京電機大学, 先端工学研究所, 講師 (40312037)
キーワード音楽 / 脳機能 / MEG / fMRI / 長調・短調
研究概要

西洋音楽における長調・短調は,多くの場合楽曲の性格を決定するのに重要な役割を持っている.そして長調は明るく短調は暗いという一般的な印象を与える.そのような感覚を催す脳には,調・短調に対してある種の神経生理学的基礎があるのではないかと考えられる.それをMEGやfMRIで調べてきた.今年度MEGを用いた研究では,主に長調音階について,各音の役割がどのような神経生理学的現象に対応するのかを調べること,対応する実験を短音階についても始めることを目標とした.このため完全な音階を(ハ長調ならばCDEFGABC)標準刺激として高頻度で提示し,それから一音省略した音階を逸脱刺激として低頻度で提示する,いわゆるoddball課題を実施した.その際,省略直前の音を2倍の長さに伸ばしたり,繰り返したりした.また省略直後の音を繰り返す方法も行った.この3種の実験方法では,直前の音を伸ばす方法が最も顕著な反応を示した.音の種類では特にBの音の省略について強く反応したが,それはBの導音としての役割を反映している可能性が高い.さらに短音階を用いた場合には,導音の役割と思われる現象が長音階よりも強く現れた点が興味深いので,さらに確認したい.fMRIを用いた長・短三和音に関する実験では,特に短三和音提示時に,情動情報処理に関わる脳部位に反応が強く現れた.また不協和に関係する部位の反応も見られたが,それらの部位間の関係についてはまだよく分からない.短調音階に対するfMRI反応については,短三和音と比較して顕著な結果が得られなかった.その原因もよく分からないので,もう少し被験者を増やして実験を繰り返すことを考えている.

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] 音楽受容の脳活動の可視化の研究(サーベーペーパ)2011

    • 著者名/発表者名
      根本幾
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C

      巻: 131 ページ: 15-22

  • [雑誌論文] fMRI measurement of brain activities to major and minor cadence sequeces.2010

    • 著者名/発表者名
      I.Nemoto
    • 雑誌名

      32^<nd> International Conference of IEEE EMBS

      ページ: 5640-5643

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stochastic resonance in connectivity between both auditory areas obtained by auditory stimuli.2010

    • 著者名/発表者名
      K.Tanaka
    • 雑誌名

      32^<nd> International Conference of IEEE EMBS

      ページ: 166-169

    • 査読あり
  • [学会発表] 聴覚誘発脳磁界を用いた長短三和音の検討2010

    • 著者名/発表者名
      大貫和仁
    • 学会等名
      日本生体磁気学会
    • 発表場所
      さわやかちば県民プラザ(千葉県)
    • 年月日
      2010-07-29
  • [学会発表] 上行,下行音階中の1音の省略に対する反応の計測2010

    • 著者名/発表者名
      小田翔一朗
    • 学会等名
      日本生体磁気学会
    • 発表場所
      さわやかちば県民プラザ(千葉県)
    • 年月日
      2010-07-29
  • [学会発表] 短音階における1音省略時のミスマッチ脳磁界の測定2010

    • 著者名/発表者名
      安藤浩瑞
    • 学会等名
      日本生体磁気学会
    • 発表場所
      さわやかちば県民プラザ(千葉県)
    • 年月日
      2010-07-29
  • [学会発表] fMRIによる長・短三和音および減三和音に対する脳活動の推定2010

    • 著者名/発表者名
      藤巻拓哉, 根本幾
    • 学会等名
      日本生体磁気学会
    • 発表場所
      さわやかちば県民プラザ(千葉県)
    • 年月日
      2010-07-29
  • [学会発表] 聴性定常応答にみられる確率共鳴現象2010

    • 著者名/発表者名
      田中慶太
    • 学会等名
      日本生体磁気学会
    • 発表場所
      さわやかちば県民プラザ(千葉県)
    • 年月日
      2010-07-29
  • [学会発表] Study of noise effects on auditory systems using MEG.2010

    • 著者名/発表者名
      田中慶太
    • 学会等名
      日本生体医工学会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター(大阪府)
    • 年月日
      2010-06-25
  • [学会発表] Differences in AEF to major and minor chord tones.2010

    • 著者名/発表者名
      大貫和仁
    • 学会等名
      日本生体医工学会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター(大阪府)
    • 年月日
      2010-06-25
  • [学会発表] Estimation of brain activities in response to major and minor chords and cadence sequences by eventrelated fMRI.2010

    • 著者名/発表者名
      藤巻拓哉
    • 学会等名
      日本生体医工学会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター(大阪府)
    • 年月日
      2010-06-25

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公開日: 2012-07-19  

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