研究課題
基盤研究(C)
本研究は,推論と判断のさまざまな現象を,確率モデルと少数の基本的概念によって包括的に捉え,基本的概念と因果性の関連を明確にすることを目的として実施された。まず,定言三段論法の確率モデルは,典型的演繹推論における等確率性仮説を明らかにした。次に,二重フレーム理論は,肯定と否定の心理的非対称性から多様な現象間の類似性を明らかにした。さらに,基準率錯誤の生起要因は等確率性の仮定であり,等確率性が仮定される理由は二重フレーム理論の枠組みで解釈できることを明らかにした。最後に,因果性の明確化がモンティホール問題のような困難な問題の正解を促進することを示し,因果性と等確率性と結びつきを明らかにした。
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