研究課題
本研究の目的は、我々の優れた視覚的な材質認識の能力が脳のどのようなネットワークの働きによって実現されているのかを明らかにすることである。前年度においては、3頭のサルを対象として、金属や布などの材質カテゴリの情報の表現を明らかにするための機能的MRI実験を開始した。本年度においては、同実験を継続するとともに、データの解析をすすめ、サルV4野及び後部下側頭皮質領域の活動における材質カテゴリ間の関係が、材質カテゴリ間の知覚的な関係と対応していることを見出した。これら領域が材質の情報処理において重要な働きをしていることを示す新しい知見である。また、本年度において、前年度までの研究の成果の一つである、サルの脳における表面光沢の情報処理に関する論文を発表した。表面光沢は材質認識のための重要な手がかりの一つと考えられるが、光沢に関する情報が脳のどのようなネットワークにおいて処理されるかを明らかにした研究は国内外においてこれまで報告されていない。本研究では、光沢刺激に対する強い活動はサルの低次視覚野から高次視覚野にかけて広くみられること、特に高次視覚野の中では後部下側頭皮質の比較的限局した位置に強い活動がみられることを明らかにした。これらのネットワークにおいて光沢に関する視覚情報が処理されると考えられる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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