研究課題/領域番号 |
22500254
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
岸田 邦治 岐阜大学, 工学部, 教授 (90115402)
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キーワード | 脳磁図 / 統計的逆問題 / フィードバックシステム / ブラインド源分離 / 正中神経刺激 / 体性感覚 / インパルス応答 / 脳内通信 |
研究概要 |
フィードバックモデルの大脳活動部位間のダイナミックスを示す伝達関数を時系列データから推定する理論・アルゴリズムを既に開発してきたが、大脳部位間の動的連関を脳磁図データから同定するにはフィードバックシステム論的解析手法に即した再構成データを測定データから抽出するために適切な前処理等と同定結果の妥当性を確認する後仕上げの方法が必要となる。このための手法が区間平均零操作であり、その元でのブラインド源分離であった。 解析する脳磁図データとしてはこれまでに蓄積した体性感覚誘発磁場データと聴覚誘発磁場データがあり、その2成分系としての取り扱いを既に終了し、体性感覚の活動部位は同側半球脳の第1、2次体性感覚野が活動することが分かっているのが、これらの活動を調べるには体性感覚誘発磁場なる応答のまわりのゆらぎを解析することも重要である。ブラインド源分離利用して体性感覚誘発磁場なる応答のまわりのゆらぎを抽出することができた。尚、同側の第1、2次体性感覚野の活動は刺激間隔に応じて変化する。そこで、両者が活動している思われる2Hzの正中神経刺激時のデータを詳細に解析した。 脳磁図におけるこれまでの研究は加算平均波形から得られる情報を解析してきたが、この確定信号のまわりのゆらぎにも動的情報が含まれているはずである。2Hz正中神経刺激時のデータに対してフィードバックシステム論的手法を用いてシステム同定することから、第1、2次体性感覚野間の脳内通信をインパルス応答の形で推定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで手持ちのデータを解析してみると、脳内通信を解析するための必要となるデータとしての体性感覚誘発関連磁場を正しく抽出することが大切と分かった。そのために必要となる方法を確立しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
脳磁図解析の研究の推進に伴い、精度あるデータの確保が必要になった。 脳磁図の測定装置は岐阜大学でないために、九州大学での装置でデータを取得する手はずを整えた。
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