本研究では、非定常時系列の変動の不安定性を定量化するための新しい解析法として、パターン・エントロピー時系列を使った分析を行った。主に外国為替レートの時系列分析に取り組んだ。外国為替レートは非定常時系列であり、平均や分散等の長時間平均で時系列を特徴づけることは困難である。そこで、外国為替レートの時系列の変動の局所的不安定性を定量化するために、パターン・エントロピー時系列による分析を行った。米ドル/円為替レートの日次データを分析した結果、円安や円高のターニングポイントの前後の期間やリーマン・ショック後に、パターン・エントロピーが長期間高い値を示すことがわかった。
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