研究課題/領域番号 |
22500267
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研究機関 | 広島経済大学 |
研究代表者 |
高石 哲弥 広島経済大学, 教授 (60299279)
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キーワード | GARCHモデル / ベイズ推定 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 実現ボラティリティ / AIC / DIC |
研究概要 |
GARCHモデルの誤差項に有理関数を利用したR-GARCHモデルのベイズ推定法の開発を行った。ベイズ推定は多次元スチューデント分布を提案分布に利用したマルコフ連鎖モンテカルロ法によって実行した。この方法の有効性をメトロポリス法と比較するとサンプリングデータの相関がメトロポリス法に比べて非常に小さく、有効性が高いことが分かった。そして、開発したベイズ推定法を利用して実際の金融データ(ドル円レート)に対して実証分析を行い、どの程度R-GARCHモデルがデータにフィットしているかをガウス誤差項を利用した標準的なGARCHモデルと比較した。どの程度フィットしているかをAICとDICの指標によって比較をし、両指標ともR-GARCHモデルがよりデータにフィットしているということを示した。今後は実現ボラティリティをR-GARCHモデルに取り入れてモデルを改良し、株価収益率等の金融データに対しても実証分析を行っていく。 また、実現ボラティリティを利用するため、高頻度データから実現ボラティリティを計算する方法を開発した。実現ボラティリティは高頻度収益率の2乗を足し合わせることによって得られるが、テクニカルな問題がいくつか存在する。その1つはデータにはマイクロストラクチャーノイズと呼ばれるノイズが存在することで、高頻度データになるとノイズの影響が大きくなることが知られている。このノイズはある程度大きなサンプリング間隔でサンプルしたデータを利用することでコントロールすることができることを確かめた。一方、予想していなかったこととして、サンプリング間隔が大きな領域で実現ボラティリティが影響を受けて有限サイズ効果が表れることが分かったことである。サンプリング間隔が大きな領域での値は、R-GARCHモデル分析に利用しないので研究には影響しないが、この有限サイズ効果を更に詳しく調べることも面白いと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で提唱、開発したR-GARCHモデルのベイズ推定法が完成し、今後は様々な金融データに対して実証分析を行うことが可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、開発したR-GARCHモデルを利用し、株価収益率や為替収益率などの金融データに対して実証分析を行って行く。また、実現ボラティリティを利用した実証分析や、実現ボラティリティの統計性を調べる研究も行って行く。
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