研究課題
顕微質量分析から得られるデータは、相関構造を持った飛行時間型質量分析計データの集合であり、蛋白発現プロファイルからの関数データの抽出には局所的に滑らかさの異なる関数の平滑化が必要である。このため、不連続点あるいは微分不能な点を含む目的関数を、ノイズを含んだデータから推定するのに適した適応型可変節点スプライン関数の理論的研究およびプログラム開発を行った。また、蛋白発現データを微分不能な点を持つ確率分布から得られたものと解釈し、きわめて特異な確率密度関数の推定問題として研究した。応用問題として、微分不能な点を持つ二次元確率分布の推定問題も検討し、空間疫学への応用も検討した。研究成果の一部は、“Data Adaptive Histograms for Nonparametric Density Estimation”として論文化し、現在修整中である。これら不均一な滑らかさを持つ関数データの抽出、確率密度関数の推定、判別問題の解決は、多重節点を持つスプライン関数を用いてモデル化された。スプライン関数のtuning parameterである節点の最適化は、適応型モデル撰択基準(adaptive model selection criterion)を最適化することで行われた。この最適化問題は複雑な非線形問題となるが、遺伝的アルゴリズムを適用することで、大域的な最適解を探索することで解決した。さらにプログラムの改良により、計算速度の向上を図った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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