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2011 年度 実績報告書

運動学習によって獲得した運動表象による他者運動情報処理

研究課題

研究課題/領域番号 22500290
研究機関京都大学

研究代表者

松村 道一  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (20150328)

キーワード認知神経科学 / ミラーシステム / 運動表象 / 運動学習 / 他者運動 / 運動観察
研究概要

ヒトは他者の運動を観察している時、どのようにすればその運動が自己の運動として実現できるかどうか、その方略を理解することができる。これは、他者運動に関する視覚的情報を、自己の運動制御に関する脳内メカニズムを利用して処理することで、その運動を行うのに必要な運動指令を計算しているからだと考えられている。このように、自己の運動を生成する機能のみならず、他者運動に関する視覚情報の処理にも関わっている脳内メカニズムを、ミラーシステムと呼ぶ。本研究は、ミラーシステムによる他者運動の視覚情報処理が、ある運動を学習した結果獲得した自己の運動表象(自己の運動を生成するための神経ネットワーク)に応じて変化するのか、その可能性を検証することを目的とする。
本年度は、ミラーシステムの活動の大きさが観察している運動に応じて異なる可能性があったため、視覚運動適応学習実施前にミラーシステム活動の運動特異性の有無についての検証を行った。ミラーシステムの活動度合いの指標には、経頭蓋磁気刺激(Transcra mialnagnetic stimulation ; TMS)によって第一背側骨間筋(First dorsal interosseous ; FDI)から導出した運動誘発電位(Motor evoked potential ; MEP)の振幅を用いた。視覚刺激には示指の間欠的な屈曲-伸展運動と、示指の内転-外転運動の2種類の映像を用いた。被験者が映像を観察している最中に一次運動野に対してTMSを与え、得られたMEP振幅について条件間の比較を行った。FDIが主動筋として作用する内転-外転運動を観察している最中は、屈曲一伸展観察時に比べてMEP振幅が大きくなる様子が伺えた。この結果はミラーシステム活動の運動特異性の存在を示唆しており、視覚運動適応学習時に用いる視覚映像の運動主動筋とMEP導出筋を適切に選択する必要性があることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予算の都合上、申請時に予定していた機材の購入ができず、全般的な実験計画の見直しが必要となった。

今後の研究の推進方策

データ収集に努め、対外的成果報告を行う。また、スポーツや医療の現場への応用を視野に対外的情報発信を続けていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 心理学概論第2章「脳神経系-脳神経系のしくみ」2011

    • 著者名/発表者名
      松村道一(共著)
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2013-06-26  

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