| 研究概要 |
延髄吻側腹外側部のpFRG/Pre-Iニューロンを含むPhox2b陽性細胞は,呼吸調節における中枢化学受容器(特にCO2センサー)として働くと考えられている.本研究では,新生ラット摘出脳幹-脊髄標本を用いて,pFRG/Pre-I (Phox2b陽性)ニューロンの高CO2受容の神経機構を調べた.pFRG/Pre-I ニューロンは,シナプス前膜からの伝達物質放出などのカルシウム依存性機構の関与を遮断した後も高CO2に反応してカリウムチャネルの閉鎖を伴う膜の脱分極を引き起こした.これらのニューロンは脳内の毛細血管に密着して存在していた.また,カリウムチャネルとしてはTASK1,2,3のサブタイプが検討されたが,これらのK+チャネルは高CO2受容において主要なチャネルとしては働いていないことが確認された.本研究により,pFRG/Pre-I(Phox2b陽性)ニューロンは高CO2刺激を直接受容することが明らかになった.
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