研究課題/領域番号 |
22500304
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研究機関 | 防衛医科大学校 |
研究代表者 |
佐藤 泰司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (10505267)
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研究分担者 |
足立 健 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (50231931)
遠藤 昌吾 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 老化脳神経科学研究チーム, 研究部長 (60192514)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ERK / 神経 / 細胞内情報伝達 / 自閉症 / 分化・増殖 / 神経幹細胞 / 記憶・学習 |
研究概要 |
神経細胞間の情報のやり取りを制御するERK2というタンパク質は、各種神経・精神疾患との関連が従前より示唆されているが、そのメカニズムは未だに解明されていない。当該研究ではCre-LoxPシステムを用い、ERK2が中枢神経系において部位特異的に欠損したマウス(中枢神経系特異的ERK2ノックアウトマウス)を作出した。このマウスを用いて、ERK2の神経活動における役割を形態学的、生化学的、電気生理学的及び行動学的手法を用いて解析した。中枢神経系特異的ERK2ノックアウトマウスは一見正常に成長したが、野生型マウスと比較して記憶・学習能力が劣っていることが判明した。さらにこのマウスは他のマウスに対して攻撃的になったり、無関心になってバラバラに行動するなど、社会性行動にも大きな異常があることが解った。これらの異常行動はヒトにおける自閉症の行動と酷似しており、自閉症発症とERK2の関係が示唆された。自閉症は脳の発達障害の一つで、うまく人間関係が作れなくなったり、同じ行動を繰り返したりするなどの特徴があり、複数の遺伝的な要因と環境的な要因が重なって発症すると考えられている。関係する様々な遺伝子が報告されているが、今回関連が発見されたERK2は関係が指摘されている多くの因子と密接な関係があり、共通要因となっている可能性がある。最近ではヒトにおいても発達障害とERK経路異常との関係が明らかになりつつあり、当該研究の結果を合わせて考えると、自閉症の解明に新たな切り口が提供されたと言える。また、当該研究ではERK2の欠損によって神経回路レベルでの異常も明らかになっており、ERKの分子メカニズム解明が神経回路発達の理解に重要であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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