研究分担者 |
宇田川 潤 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (10284027)
藤山 文乃 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20244022)
本間 智 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40285581)
薗村 貴弘 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (40347092)
古田 貴寛 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60314184)
安原 治 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (80239772)
安田 宗義 愛知医科大学, 医学部, 講師 (10440752)
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研究概要 |
パルミトイル化膜移行シグナルを結合した緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子組換えウイルスベクターをトレーサーとして用い,ドーパミン神経系の投射様式の定量的解析を単一細胞レベルで行った。再構成された8 個の単一ドーパミン細胞は平均466,831 μmの軸索を線条体に投射し、一側の線条体容積の平均2.7 %(細胞数にして約75,000 個)にシグナルを伝達していることが判明した。反対に線条体細胞の側からみると1 個の線条体細胞は95 ~194 個の異なるドーパミン細胞のシグナルを受け取ることが見出された。また,μオピオイド受容体との二重染色により,単一ドーパミン細胞の軸索は線条体のstriosome とmatrix の両方に分布することも明らかにされた。これらのことから、単一ドーパミン信号は従来考えられていたよりも広範囲かつ高密度に、またstriosome / matrix構造とは比較的無関係に線条体に分布することが結論された。これらはドーパミン系の持つ二面性、すなわち脆弱性(vulnerability)と予備力(redundancy)を反映し、またdopaminergic dysregulation syndrome にみられるような行動障害の一因を示唆すると考えられた。
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