研究課題/領域番号 |
22500308
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
安原 治 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (80239772)
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研究分担者 |
松尾 明典 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助教 (20324585)
松田 和郎 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80444446)
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研究期間 (年度) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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キーワード | アセチルコリン / 内側中隔 / 海馬 / カベオリン |
研究概要 |
本研究は、前脳基底部アセチルコリン作動性ニューロン、とくに内側中隔-海馬投射コリン神経系の投射様式と変性過程を検討することを目的とした。この目的のために、緑色蛍光タンパク質GFPと膜移行タンパク質ペプチドを組み込んだウイルスベクターを内側中隔核に微量注入してコリン作動性ニューロンの単一細胞描出を試み、その投射様式を解析した。次いでコリン傷害モデル動物を用いて、コリン神経変性の過程を解析した。最終年度である本年度は以下の研究を行った (1) 内側中隔核へSindvisウイルスベクターを微量注入した。2日後、灌流固定の後、脳を取り出し、クリオスタット切片を作成した。GFPの蛍光観察の後、抗GFP抗体を用いて免疫染色を行った。内側中隔アセチルコリン作動性ニューロンの終末は、主にアンモン角の上昇層と左右体細胞層・放射状層に分布し、吻-尾側、内-外側方向に部位局在的な投射傾向が観察された。今後、さらに例数を増やして定量的に解析する予定である。 (2) 前脳基底部コリン神経系の変性過程を検討するために、カイニン酸全身投与による海馬傷害ラットを作製した。中枢性コリン神経の神経伝達にはカベオラ関連タンパク質であるカベオリン1が関与することが示唆されている(L. Gioiosa et al., 2008)。そこで、カイニン酸モデルラットの海馬と大脳皮質の切片を用いて、カベオリン1の発現変化を検討した。予想に反して、カベオリン1免疫活性は海馬ニューロンには観察されなかった。海馬傷害ラットでは、海馬や大脳皮質の活性化ミクログリアに強く発現が誘導された。アセチルコリン神経伝達への関与は検出できなかったが、組織修復へのカベオリン1の関与を示唆する所見として、報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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