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2012 年度 実績報告書

大脳皮質興奮性神経細胞の軸索形成過程と皮質間線維の発達過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22500310
研究機関生理学研究所

研究代表者

畠中 由美子  生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 特別協力研究員 (40271548)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード神経科学 / 発生・分化 / 解剖学 / 細胞・組織 / 大脳新皮質 / ライブセルイメージング / 細胞移動 / 神経回路
研究概要

大脳皮質では皮質外領域に投射する線維に加え、同側・対側皮質間の領域を結ぶ線維が非常に発達している。これらの線維は主に興奮性神経細胞に由来しており、結合様式から連合・交連線維に分類される。神経機能を発揮する上でこれらの線維結合は重要であるが、その複雑さのため、特に皮質間線維の形成と発達には未解明な部分が多く残されている。そこで本研究では、まず、興奮性神経細胞の初期軸索形成過程を調べ、さらにその後の発達過程を解析して、皮質間結合の形成メカニズムを明らかにすることを目指した。昨年度までに、深層の興奮性神経細胞は、放射軸方向の細胞移動前に中間帯で軸索を形成することを明らかにした。本年度は、この軸索形成の時期が浅層の興奮性神経細胞も含め広く一般化できるかどうかを調べた。その結果、層に関わりなくほぼすべての細胞が移動開始前に中間帯において軸索を形成することが明らかとなった。さらに、軸索の伸長方向には標識時期依存性があり、早期に標識した細胞の軸索は腹側(内包)に向かい、途中からほぼすべてが背側(脳梁)方向に切り替わった。これらはそれぞれ皮質外投射細胞のマーカーと、皮質内投射細胞のマーカーに陽性であった。また、生後3週で層分布を調べたところ前者は深層に、後者は一部深層を含む浅層(II/III, IV層)に分布した。背側方向に伸長する細胞群の軸索発達過程について第一次体性感覚野に焦点を当てて調べたところ、軸索が脳梁を通って対側に伸長するとともに分岐が生じ、生後約1週目までに、すでにこの感覚野から投射することが知られている同側対側の皮質内投射先に軸索が到達した。これらの結果から、皮質間線維連絡の形成は、初期に共通して軸索を背側方向に伸長させたのち、ここからの分岐と刈り込みで形成されることが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Excitatory cortical neurons with multipolar shape establish neuronal polarity by forming a tangentially oriented axon in the intermediate zone.2013

    • 著者名/発表者名
      Yumiko Hatanaka, Kenta Yamauchi
    • 雑誌名

      Cerebral Cortex

      巻: 23 ページ: 105-113

    • DOI

      10.1093/cercor/bhr383

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス大脳皮質内線維連絡の発生過程2012

    • 著者名/発表者名
      畠中由美子
    • 学会等名
      平成24年度学融合推進センター・共同プロジェクト研究会「脳の進化ー大脳新皮質の起源を尋ねてー」
    • 発表場所
      総合研究大学院大学葉山キャンパス(神奈川県)
    • 年月日
      20121112-20121113
  • [学会発表] 初期投射パターンによる皮質興奮性神経細胞の分類2012

    • 著者名/発表者名
      畠中由美子、 山内健太、並河知宏、川口泰雄
    • 学会等名
      日本神経科学学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      20120918-20120921
  • [備考] 生理学研究所 大脳神経回路論研究部門ホームページ

    • URL

      http://www.nips.ac.jp/circuit/

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公開日: 2014-07-24  

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