研究概要 |
(1) [目的]マウス網膜の連続切片電顕写真からすべての型の双極細胞と狭い受容野をもつ型のアマクリン細胞の分類とシナプス結合に関する知見を集大成し、それらを公表する。 [成果]A)マウス網膜については、杆体視細胞→杆体双極細胞→AIIアマクリン細胞の経路に続いて、AIIアマクリン細胞からON双極細胞へのギャップ結合、OFF双極細胞とOFF神経節細胞へのシナプス経路を解明した。とくにAIIアマクリンと全ての型(5α,6,7,8,9)のON型双極細胞とのギャップ結合の撮影に成功した。国内の学会発表を終えた後に、原稿を米国の元同僚の研究者に校閲を依頼してコメントを得た。現在、原稿の完成度を上げる作業中である。B)シリーズに存在する30個の神経節細胞のマップを作成した。そのうち10個の神経節細胞については双極細胞とアマクリン細胞の各型からの入力の組み合わせによって性質を明らかにした。 (2) [目的]サル網膜の中心窩と周辺野の2シリーズの連続切片電顕写真を追加撮影によって完成させ,錐体細胞,杆体細胞のマップ作りから始めて,双極細胞,アマクリン細胞,神経節細胞の分類とシナプス結合を解析する。 [成果] A)サル網膜については、立体構築のための準備として錐体マップ、杆体マップを作成した。B)さらに網膜全体の電顕像をポスター用の大判プリント紙に印刷し、透明紙(特注品)にグリッド線とともに大きな目標物の輪郭を写し取って座標フレームを作った。周辺野シリーズ用116枚、中心窩シリーズ用134枚をそれぞれ完成させた。 (3) [目的]コンピューター・グラフィックスのツールを整備する。[成果] A)現在使用しているソフトウエアTRI/3D-SRF-R(ラトック社)に特注によってSLT形式(CAD分野の標準的なファイル形式で汎用性が極めて高い)のファイル生成機能をもたせることができた。
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