研究課題
3D-oriented immunoelectron microscopy法に用いるQdotは蛍光を発するnanocrystalで電子顕微鏡でも同定でき、病変を標識すればば病変の蛍光像と免疫電顕像を直接比較できる。今年度は標本上のQdotにビームを当てて得られたエネルギースペクトラムからPick球のタウ陽性線維を標識したQdot部位にその成分セレンとカドミウムがすることを初めて証明し、免疫電顕標識としての信頼度を高めた。タウ沈着の早期像とされるpretangle neuronと呼ばれる病変にも応用し、疾患による早期像の違いを検索中である。微小管結合部位の繰り返しが3回の3リピート(3R)タウと4Rタウがあるが両者を蛍光二重染色して細胞毎に区別する方法を昨年度確立した。今回アルツハイマー病海馬に応用し、病期の進行に伴い進展する神経原線維変化の増加に伴い、3Rタウ陽性神経細胞の割合が増加すること、神経細胞内では突起から細胞体に向かって4Rタウ陽性像が3Rタウ陽性像へと変化することを示した。この変化は神経原線維変化形成と進展に共通する根源的事象だが、その分子基盤は説明しがたい。部位や疾患による違いを検索し,背景機序を今後検討していく。ノルアドレナリンアナログであるMIBGの心筋への取り込み低下という機能低下が証明された剖検例の心臓交感神経の組織学的検索を開始した。両者の強い相関を確認したが、いずれか一方のみしか変化しない例外も見いだした。これまで用いたパラフィン標本では、心筋上の交感神経線維は観察できるが、より遠位の心筋内線維の検索は不十分であった。そこで厚みのある浮遊切片で心筋内線維を観察中で、先に開発した3D-oriented immunoelectron microscopyを組み合せて軸索末端の病変を検索し、パーキンソン病の早期病態をあきらかにして、早期診断に生かしたい。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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