研究課題
昨年度ニューロンボールを用いて7種類の軸索に有意に集積するマイクロRNA (miRNA) を同定したが、今年度は蛍光in situハイブリダイゼーションを用いて軸索及び成長円錐におけるそれらの発現を検討した。そのうち、miR-181a-1* (miR-181a-1の相補鎖)、miR-532、miR-709、miR-720は細胞体や軸索のみならず、成長円錐にも粒子状に発現が確認された。一方、我々が細胞体に多く局在するmiRNAとして同定したmiR-16、miR-379は成長円錐における局在が見られなかったことから、特定のmiRNAが成長円錐に局在する機構があることが示唆された。次に成長円錐に局在するmiRNAの局在が細胞外刺激により変化するかを検討した。脳由来神経栄養因子 (BDNF: Brain-derived Neurotrophic Factor) 刺激によりmiR-720の成長円錐内への局在が有意に増加した。最後に、成長円錐に局在するmiRNAの軸索機能における役割を検討するために、miR-720のアンチセンスオリゴのBDNF依存的軸索伸長に与える影響を検討した。miR-720のアンチセンスオリゴはBDNFによる軸索伸長をコントロールレベルまで低下させた。従って、miR-720は細胞外刺激によって局在が変化し、軸索伸長に関与することが示された。これらの結果から、特定のmiRNAが成長円錐に局在し、細胞外刺激によって局在が増減し、軸索の機能を調節することが示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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