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2012 年度 実績報告書

抗うつ薬の作用基盤としての海馬神経幼若化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22500342
研究機関日本医科大学

研究代表者

小林 克典  日本医科大学, 医学部, 講師 (10322041)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード抗うつ薬 / 海馬 / 神経細胞 / シナプス / 行動解析 / ストレス
研究概要

複数の疾患モデルマウスを用いて抗うつ薬フルオキセチン(FLX)及び電気けいれん刺激の効果を検討した。コルチコステロン(CORT)慢性投与(10mg/kg/day、7週間)による不安・うつモデルマウスに対するFLXの効果を検討するため、CORT投与の後半4週間にFLX10mg/kg/dayを投与した。通常この投与量のFLXでは神経幼若化は生じないが、CORT投与動物では神経幼若化を示す電気生理学的特徴と分子マーカー発現変化が見られた。この時、FLXの血中濃度はCORT投与では変化せず、FLXによる治療を受けているヒトの血中濃度と同程度であった。また、正常なマウスに高用量FLXによって神経幼若化を誘導した際に見られる行動異常は見られなかった。これらの結果はストレス応答系に異常が生じている状態では、FLXによる神経幼若化が促進されることを示しており、治療用量のFLXによってヒトでも神経幼若化が生じることを示唆している。
Learned helplessnessによるうつ様行動と恐怖条件付けに対する電気けいれん刺激の効果を検討した。うつ様行動に対する効果は現時点では検出されていないが、恐怖条件付けは電気けいれん刺激で低下した。恐怖条件付けに対する効果は海馬シナプス伝達に対する電気けいれん刺激の効果と持続時間が同様であった。不安様行動は電気けいれん刺激では変化しないか、むしろ増加するため、この恐怖条件付けの変化は認知機能異常を反映すると考えられる。前年度までの結果も考慮すると、電気けいれん刺激による海馬シナプス伝達の変化は、活動量の増加と恐怖条件付けの低下と関連することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Synaptosomal-associated protein 25 mutation induces immaturity of the dentate granule cells of adult mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Ohira K.
    • 雑誌名

      Molecular brain

      巻: 6 ページ: 12

    • DOI

      doi: 10.1186/1756-6606-6-12

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗うつ作用の細胞基盤としての海馬神経脱成熟2013

    • 著者名/発表者名
      小林克典
    • 学会等名
      第90回日本生理学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130327-29
  • [学会発表] 電気けいれん刺激は海馬歯状回顆粒細胞の機能的成熟を逆転させる2012

    • 著者名/発表者名
      小林克典
    • 学会等名
      第35回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20120918-21

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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