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2010 年度 実績報告書

D1/D2ドーパミン受容体遺伝子操作マウスを用いた運動制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22500343
研究機関北里大学

研究代表者

笹岡 俊邦  北里大学, 医学部, 教授 (50222005)

キーワードドーパミン受容体 / 運動制御 / 大脳基底核 / パーキンソン病 / 遺伝子操作動物 / マウス / 発生工学
研究概要

神経伝達物質であるドーパミンはぐドーパミン受容体をして運動や情動など多様な神経活動を制御している。また、パーキンソン病の病態と治療にも密接に関連する。主要なドーパミン受容体であるD1受容体(D1R)とD2受容体(D2R)は、脳の線条体で高い発現が見られ、運動制御に深く関わる。我々は、D1Rの役割を明らかにするため、ドキシサイクリン(Dox)投与による可逆的な発現抑制が可能なD1R遺伝子を、野生型、D1R単独欠損型、D1R/D2R二重欠損型の遺伝子背景を持つマウスに導入した。これらの遺伝子操作マウスでは、Dox投与前は、D1Rプロモーター制御のもと、導入D1Rが強発現していた。Doxを投与すると、2週間後には導入D1Rの線条体での発現が野生型マウスと同程度になっていた。そこで、D1R発現の増減による運動量の変化を調べた。4週間継続してDoxを投与し、D1Rの発現を低下させた場合、内在性D1Rを持たないD1R(-/-);D2R(+/+);Tg(+)およびD1R(-/-);D2R(-/-);Tg(+)マウスでは3週間目から運動量が低下したが、内在性D1Rを持つD1R(+/+);D2R(+/+);Tg(+)マウスでは低下しなかった。一方、Doxの投与を2週間で停止し、D1Rの発現を再上昇させると、内在性D1Rを持たないマウスでは、停止後約3日目をピークに運動量が一時過剰となり、停止後約1週間で投与前の運動量程度に回復した。内在性D1Rを持つマウスでは過剰運動は見られなかった。これらの結果から、1)D1Rは運動量の維持に必要であること、2)ただし、D1Rの発現量が減少しても、一定レベルに達するまでは運動量に影響を与えないこと、3)D1Rの発現量が一定量或いは一定時間低下した状態から増加することが過剰運動を引き起こすこと、4)D1R発現の増加量がマウスの過剰運動の発生と関連していることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Abnormal epithelial cell polarity and ectopic epidermal growth factor receptor (EGFR) expression induced in Emx2 KO embryonic gonads2010

    • 著者名/発表者名
      Kusaka, M., Katoh-Fukui, Y., Ogawa,H., Miyabayashi, K., Baba, T., Shima,Y., Sugiyama, N., Sugimoto, Y., Okuno, Y., Kodama, R., Iizuka-Kogo, A., Senda, T., Sasaoka, T., Kitamura, K., Aizawa, S., and Morohashi, K.-I
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 151 ページ: 5893-5904

    • DOI

      DOI:10.1210/en.2010-0915

    • 査読あり
  • [学会発表] ドーパミンD1受容体の発現変化が引き起こす運動量異常2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤朝子, 勝木元也, 笹岡俊邦
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会 第83回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド、神戸(兵庫県)
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] 大脳基底核内情報伝達におけるドーパミンD1受容体の機能2010

    • 著者名/発表者名
      知見聡美, 太田力, 佐藤朝子, 笹岡俊邦, 勝木元也, 黒川信, 南部
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター、神戸(兵庫県)
    • 年月日
      2010-09-04
  • [学会発表] 調節可能なドーパミンD1受容体発現系を有するトランスジェニックマウスの運動量解析2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤朝子、勝木元也、笹岡俊邦
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター、神戸(兵庫県)
    • 年月日
      2010-09-02
  • [産業財産権] 連結DNAの調製方法及びトランスフォーマントの調製方法2010

    • 発明者名
      田中寅彦, 笹岡俊邦
    • 産業財産権番号
      出願番号特願2004-020810, 公開番号特開2005-210956, 登録番号特許4581079
    • 取得年月日
      2010-09-10

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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