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2011 年度 実績報告書

D1/D2ドーパミン受容体遺伝子操作マウスを用いた運動制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22500343
研究機関北里大学

研究代表者

笹岡 俊邦  北里大学, 医学部, 教授 (50222005)

研究分担者 大久保 直  北里大学, 医学部, 講師 (10450719)
佐藤 朝子  北里大学, 医学部, 特任助教 (10465932)
キーワードドーパミン受容体 / 運動制御 / 大脳基底核 / パーキンソン病 / 遺伝子操作動物 / マウス / 発生工学 / ドキシサイクリン
研究概要

神経伝達物質であるドーパミンは、ドーパミン受容体を介して運動や情動など多様な神経活動を制御している。また、パーキンソン病の病態と治療にも密接に関連する。主要なドーパミン受容体であるD1受容体(D1R)とD2受容体(D2R)は、脳の線条体で高い発現が見られ、運動制御に深く関わる。我々は、D1R及びD2Rの役割を明らかにするため、独自の行動解析装置を用いて、D1Rノックアウト(KO)マウス及びD2RKOマウスをホームケージで5日間以上連続して運動量を測定した。その運動量を詳しく分析し、下記の新たな知見を得た。
・D1R KOマウスは24時間当たりの運動量が上昇していたが、運動量上昇は暗期にのみに見られた。暗期の活動パターンを解析すると、活動休止している時間の長さは野生型マウスと変わらないが、活動時の単位時間当たりの運動量が極めて多い。
・D2R KOマウスは24時間当たりの運動量が野生型マウスの50%程度まで減少しており、明期も暗期も減少していた。明暗リズムは保たれていた。暗期の活動パターンは、活動休止している時間の長さは野生型マウスと変わらないが、活動時の単位時間当たりの運動量が少ない。
また共同研究により、線条体の神経細胞の電気生理学的解析を行ない、D1R,D2Rのそれぞれが、特徴的な機能を持つことが明らかになってきた。
このような行動解析は神経活動の異常による行動異常の内容を知るために有用であり、今後、これまでに我々が開発した、D1R/D2R二重欠損の遺伝背景にドキシサイクリン(Dox)投与によりD1R発現抑制が可能な遺伝子操作マウスを用いて、遺伝子発現と運動制御について解析を行なう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

D1R及びD2Rの遺伝子操作マウスの作成、運動量・摂食量・飲水量の長期間の定量的解析が順調に進み、D1RおよびD2Rは、それぞれ異なる運動調節の役割をもつ知見が得られている。共同研究により、線条体神経細胞の電気生理学的解析も進んでいる。

今後の研究の推進方策

ドーパミンによる運動量・摂食量・飲水量の制御の仕組みの解明には、個別にD1R,D2Rの発現量を操作できる実験系が必要である。D1R,およびD2R単独のノックアウトマウスに加え、ドキシサイクリンの投与でD1Rを発現調節出来る遺伝子操作マウスを活用し、適切な時期にD1RおよびD2Rの遺伝子発現様式を変化させることにより、マウス個体の行動の変化を解析し、行動の制御機構の解明を推進する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Methyl CpG-binding protein isoform MeCP2_e2 is dispensable for Rett syndrome phenotypes but essential for embryo viability and placenta development2012

    • 著者名/発表者名
      Itoh, M., Tahimic, C.G.T., Ide,S., Otsuki, A., Sasaoka, T., Noguchi, S., Oshimura, M., Goto, Y., and Kurimasa, A
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 287(17) ページ: 13859-13867

    • DOI

      DOI:10.1074/jbc.M111.309864

    • 査読あり
  • [学会発表] Analyses of motor activity and striatal inhibitory synaptic transmission in dopamine receptor knock-out miceドーパミン受容体ノックアウトマウスにおける行動および線条体抑制性シナプス伝達の解析2012

    • 著者名/発表者名
      籾山俊彦、佐藤朝子、勝木元也、笹岡俊邦
    • 学会等名
      第89回日本生理学会大会
    • 発表場所
      松本市
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] ドーパミンD1およびD2受容体ノックアウトマウスにおける行動および線条体GABA性シナプス伝達の解析Analyses of motor activity and striatal GABAergic synaptic transmission in dopamine D1 and D2 receptor knock-out mice2011

    • 著者名/発表者名
      籾山俊彦、佐藤朝子、勝木元也、笹岡俊邦
    • 学会等名
      第34回日本神経科学学会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2011-09-17

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公開日: 2013-06-26  

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