例えばテニスにおいて、テニスプレーヤーがボールを打とうとするとき、ボールを正確に打つためには手と眼の協調運動が必要であり、打った後にはそのボールが自分の意図したところに到達するかを確かめようとする。このような手と眼の協調到達運動における弓状溝周辺皮質の役割を明らかにするため、ディスプレイ上の視覚目標へ、眼と手のいずれか、またはその両方による到達運動課題を行うようサルを訓練した。前頭眼野を含む弓状溝周辺皮質の特に深部領域には、到達運動の開始直から終了までに眼あるいは手の運動にかかわらず同様の活動の変化を示すニューロン活動が存在し、到達運動の開始から終了までの一連の行動を管理しているものと考えられる。
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